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NHK Eテレ「達人×達人」×民生さん [ ・奥田民生]

●2019年6月8日(土)、NHK Eテレ「SWITCH 達人×達人」って番組に民生さん……もとい奥田さん(笑)が出たのを見ましたよ、というお話。

この番組、毎回、第一線で活躍する(だいたいが)異分野の第一人者・二人が対談するというもの。で、大概どちらかがどちらかのファンで……という人選が多いような?

それが今回は「奥田民生」×「YouTube音楽部門総責任者リオ・コーエン(米国人)」という異色の取り合わせ。

※再放送が2019年6月15日(土)午前0時~、Eテレで、あるようです♪


……失礼ながら、民生さんがご自分から熱烈に野心的に、そうした方に対談を申し込む……というのはこれまで長年の感触からあり得そうになく(笑、だって昔から徹底して「一番じゃなくていい」「二番目くらいが心地よい」「自分ばかり先頭に立ってどうする」みたいな姿勢を貫いてらっしゃるから ^^; )。では、コーエン氏の方からオファーがあった? カンタンカンタビレを見て?? 世界中の音楽映像を扱う責任者がそこまでご覧になっているものかしら???

カンタンカンタビレ(通常盤)

カンタンカンタビレ(通常盤)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ラーメンカレーミュージックレコード
  • 発売日: 2018/09/26
  • メディア: CD

なんだか謎多き対談の組み合わせ……と思いつつ、番組拝見。時代の流れと奥田氏の見解に、個人的に驚いたのでした……。あ、88年のユニコーン「Maybe Blue」ライブ映像も一瞬見られました♪



●人選の謎は、番組を見ているうちに推測できた。コーエン氏は「音楽の未来を左右する人(同番組)」らしい。で、来日の際「いろいろなミュージシャンに会った」とのこと。コーエン氏の希望を同番組やら各音楽事務所やらが聞きつけ、「なら、近年YouTubeを多用している奥田氏と対談させよう」「では、それを番組にしよう」となり、奥田氏が差し向けられたのではなかろうか(邪推)。

まずリオ・コーエン氏が何者かというと、米国のヒップホップグループ「Run-D.M.C.」ほか多数のミュージシャンをプロデュースした音楽畑の人で。詳細 → 。「Run-D.M.C.」なんて知らないよう……と思ったけど、「踊るさんま御殿」のテーマ曲(エアロスミス「Walk This Way」)をサンプリングしてヒットさせた人たち。聴いたことある……かも!?

RUN D.M.C.

RUN D.M.C.

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: アリスタジャパン
  • 発売日: 2001/02/26
  • メディア: CD

30年音楽業界に携わってきて、人々がYouTubeなんぞから「楽曲データを落として聴く」時代に変わってきたけど、YouTube側には音楽に詳しい人がいない、ミュージシャンの求めを理解していない → なら自分がミュージシャンとYouTubeの橋渡しをしよう! みたいな志で音楽業界を去った人……らしい。

奥田氏の方は、言うまでもなく日本のロック業界で一番「まんべんなく小忙しく」活躍している方。「カンタンカンタビレ」と称してYouTubeで「ひとりアナログレコーディング風景」を次々アップ。それを番組は「YouTuberとしての活動」とな!? そっかー、そう思って見てなかったけど、あれ実質、YouTuber活動だったんだ……(笑)。


●で、そんな方と奥田氏の、肝心の対談内容は……。乱暴にいうと、

 ・CDはなくていい……?(音楽配信が主流になる)

 ・アルバム作りに向いている楽曲とそうでない楽曲がある(コンセプトアルバムなら意味があるけど、多くの人に少しでも早く音楽を届けるならシングル。シングルよりは音楽配信の方が、より早い)

ザ・ウォール(完全生産限定盤)(紙ジャケット仕様)

ザ・ウォール(完全生産限定盤)(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2017/11/22
  • メディア: CD
※これは「ストーリー性があってアルバム向け」の作品として挙げられていました☆

 → (コーエン氏、以下「(コ)」)ミュージシャンが楽曲が10数曲たまってから発表するより、新曲を今日作って明日発信した方がいいじゃない? みたいな考え

 ・(民・質問)レコード会社は、もういらない!?

 → (コ)いらないわけではない。けど、1980年代と同じ売り方では売れない。ミュージシャンの利益のために、時代に見合った方法を模索すべし。

もはや時代は(少なくともアメリカは)「音楽の定額配信」が主流。未だCDが残っている日本は珍しい感じらしい。その話を聞いて奥田氏、「CDはなくていい……んですかねぇ」と! 「思えば遠くへ来たもんだ」と、同郷の先輩・吉田拓郎の一節をつぶやく民生氏(笑)。

それほど、近年CDは売れていないらしい。

ここまで聞いて、CD派のワタクシは動揺(^^;)。例えばユニコーンのアルバムなんかは、「CD+レコーディング風景のDVD」込みで楽しみにしている方なんで。CDが売れてない=CDが廃れる=レコーディング風景のDVDがもう入手できない……と(笑)。

でもご安心を。民生さんは「聞けるツールがあるうちは、全部に対応した発信をしたい」旨をおっしゃっていました。音楽配信だけに偏ることなく、CDを買う人がいればCDも、アナログが聴けるうちはレコードも……ということね。

個人的にデジタル配信はイヤだな~。手元に残らないっていうのが心許なくて(^^;)。変な話、電気グルーヴに不祥事が起きたら配信停止になって聴けなくちゃったんでしょ? そういう「自分じゃない誰かの意思で聴けなくなる」恐れがあるのは……それに例えばスマホがダメになっちゃって、これまでの聴く権利がなくなっちゃうっていうのもイヤよね。そういうシステムかどうか、知らんけども(^^;)。


こんな話も。

 ・アナログレコードは良いよね(お二人ともアナログレコードは良いと考える)

コーエン氏はCDデッキを持っていなくて、日本のミュージシャンからCDをもらうけど聴けなくて申し訳ない、と。そこで民生さんが、スタッフに「(民生さんからのコーエンさんへのプレゼントが)CDじゃないだろうね!?」と笑いながら、手を伸ばしてレコードを受け取る。ここで「今回の対談はスタッフさんの段取り」かも? と強く感じた次第(笑)。民生さんがコーエンさんにあげたのは、「カンタンカンタビレ」と「サボテンミュージアム」のアナログ盤と、あと何かのカセット? でした☆

サボテンミュージアム

サボテンミュージアム

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ラーメンカレーミュージックレコード
  • 発売日: 2017/09/06
  • メディア: CD


……要するに、番組全体としては「CDやアルバムが売れなくなってきた音楽業界を、ビジネスとして今後どう進めていくんだね?」という、音楽ビジネスの未来を二人で語った流れだな……。民生さんは「YouTuberとして」というよりは「RCMR(ラーメン・カレー・ミュージック・レコード)の事業主として」音楽業界の未来を知るべく対談を受けたんだな……と、個人的に感じました。



●番組前半は、YouTubeのオフィス(多分)での対談。後半は奥田氏のRCMR「ヘロスタジオ」に会場をスイッチし、コーエン氏が奥田氏の話を聞く。民生さんが松田優作みたいな扮装をしたポスター「NO VINYL,NO LIFE」(レコード盤がない人生なんて)を見て、読み上げるコーエン氏。民生さん手作りのパーカッション類で即興セッション♪

ここで、民生さんの「カンタンカンタビレ」の意図が語られた。あとコーエン氏の質問で、ミュージシャンになるまでの軌跡的なことを語る奥田氏。

 ・(民)YouTuberのスピードに憧れた(!)

 ・(民)ギターを自分で弾いているような人に聴いてもらえると思った

 ・(民)同じことをやっていると飽きるのが怖い、いかに自分が飽きないようにするか考えている(挑戦・刺激)

 ・(民)(レーベルを作った理由は、まず)グッズが作りたかった(!)

 ・あ、グッズのマルチトラック・レコーダー、欲しい……(笑)

 ・(コ)ラーメン・カレー・明太子(spicy fish eggs)は自分も好きだ(^^)b と

 ・小学生・高校生の民生さんの写真が出た♪(どっかしらで目にしたことあるやつ) → あ、1988年の「Maybe Blue」映像が一瞬出た~! 解散ラジオ放送後のファンが押し寄せた映像も出た~!

 ・(コ)音楽を応援してくれたのは誰? 誰と初めて曲を作った? その曲は聴ける?
 → (民)お母様が応援してくれた。高校時代のバンド「ギャルローズ」(メルローズ+ギャートルズ)で曲を作った。カセットに録ったけど持ってないわ!

 ・(コ)ミュージシャンでなかったら? → (民)東京に興味はないんで広島でラーメン屋? 親戚が自動車修理工場をやっているんで車屋さん?

 ・「マシマロ」の、メガネをかけたサラリーマンの扮装、なぜかやくみつるさんみたいに見えた

マシマロ

マシマロ

  • アーティスト: 奥田民生
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 2000/01/19
  • メディア: CD

 ・厳島神社でのひとり股旅から「CUSTOM」の映像♪

ひとり股旅スペシャル@厳島神社 [DVD]

ひとり股旅スペシャル@厳島神社 [DVD]

  • 出版社/メーカー: KRE
  • メディア: DVD

 ・(民)楽器を演奏するのが好き、人前で演奏できたりが一番の喜び、録音だけが喜びではない

 ・(コ)奥田氏の話を聞いてポール・サイモンを思い出した(!?) (好奇心・新しいものを常に探している・それで音楽を作る才能)

グレイスランド

グレイスランド

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2013/03/06
  • メディア: CD
※ポール・サイモンの、最も成功した(であろう)アルバム。アパルトヘイト時代の南アフリカのミュージシャンと共演。

 ・(民)人に自分の音楽をどれだけ好きになってもらえるかは運でしかない、恵まれているな、と思う。よしとしてくれる人がいることがありがたい

 ・(民)演奏をするなら人の曲を借りてすればいいって考えもあるけど、収入を得るためには自分で曲を作らねばならない。ときどき曲を作るのは「もういいかな」と思うときもある(笑) えぇぇ~Σ(゚д゚;)))

 ・(コ)無人島にアルバムを3枚持っていくとしたら? → (民)ビートルズのベスト盤(笑)、レッド・ツェッペリンの4枚目、AC/DCの「地獄のハイウェイ」

ザ・ビートルズ 1962年~1966年

ザ・ビートルズ 1962年~1966年

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
  • 発売日: 2013/11/06
  • メディア: CD
※民生さんがこの「赤盤」を推したかどうかは謎。放送分では「オリジナルアルバムでなくてベスト」としか言っていなかったから。

レッド・ツェッペリンⅣ<2014リマスター/スタンダード・エディション>

レッド・ツェッペリンⅣ<2014リマスター/スタンダード・エディション>

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2014/10/29
  • メディア: CD
※「天国への階段」収録アルバムだそうな。

地獄のハイウェイ

地獄のハイウェイ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/10/01
  • メディア: CD
※AC/DCって電源の何かでしょ? よく考えたら『UC100V』のコンセプトの大元……!?

 ・(コ)民生さんの今後の戦略は? (民)「CDでもうからねぇ」、演奏してショーをする。それをお茶の間で見られる方法を考えるべきと思う……ライブ会場で当日のライブCDを配ったように、ライブ会場を出たら自分の携帯にデータが入っているとか? 世に出してたくさんの人に聞いてもらえる形で出し続けていきたい
 → (コ)(^^)b

 ・コーエン氏、今度奥田氏がニューヨークに来たら、秘密の場所に案内してあげる♪ だって。なんだろね? なんかミュージシャンが「うはー!」ってうなるような場所があるんすかね?(笑)



●あとはチラ裏(チラシの裏にでも書いておけばいいような)話。

個人的に、コーエンさんが「民生さんとポール・サイモンの共通点を指摘した」ことにコーフンする(笑)。なぜなら、私は両方好きだから! でも共通点があるだなんて、思ったこともなかった。

考えてみたら、確かにポール・サイモンは次々新しいことをやっていった人ではあった。サイモン&ガーファンクル時代に、既に「コンドルは飛んでいく」みたいなフォルクローレを取り入れたし、当ブログ調べ(笑)では、西洋の音楽界に初めてレゲエを紹介してるらしいし。90年代のワールドミュージックブームでも、世界に先駆けて南アフリカのミュージシャンとアルバム出してヒットさせてたし。

ただ、あの人はあまり成功しなかったと言われている映画も作ったね。ちょっとさだまさしさんを思い出すね(^^;)。そういう「無謀な」「冒険」は、民生さんはしていない。そこがかなり違うかな~、と思うけど。いろんな意味で、ちょっと質は似ているかもしれませぬ……!

ってことは自分、いろいろ新しいことを取り入れるミュージシャンが好きなのか?(笑) 主観でいうと、国内でポール・サイモンに似ているのはむしろ、BOOMの宮沢和史さんだと思ってたな。沖縄旋律はじめ、実にいろいろな音楽スタイルを取り入れるって意味で。

THE BOOM ザ・ブーム ベスト DQCL-2128

THE BOOM ザ・ブーム ベスト DQCL-2128

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct (Japan) Inc.
  • 発売日: 2008/07/01
  • メディア: CD



●当記事では、話がアッチャコッチャしてしまいましたが(^^;)。

民生さんは、根がハニカミ屋さん(?)。「天性の出たがり」というのとはちょっと違うタイプ。なので、コーエン氏と話すサマは「典型的シャイな日本人」。でも、無人島に持っていくアルバム3枚……みたいな話題ほかで、なんか通じ合うところはあったご様子。

なんとも不思議な対談風景でありました♪


ベッタリではないけどある程度民生さんの活動を追ってきている者としては、番組を見ていて、民生さんが独立レーベル「RCMレコード」を立ち上げた経緯なんかも頭をよぎる。

「そうか、巨大事務所(SMA)だとどうしても動きが遅くなってしまうから、新しい音楽ビジネスの形を模索したかったのね……」と思う。

とぼけてるようでいて実は、見えないところで、ものすごくいろいろ考えておられる気配がする奥田氏が垣間見られた、貴重な対談番組でした♪

※今年になってからどっかで民生さんご自身が「ユニコーンの時は『民生』であって『奥田』はしっくりこない」的なご発言。それに乗っ取って、当記事では「奥田氏」としてみたけど……落ち着かないw 誰それ? ってなる。「OT氏」とすべきだったか?(笑)


関心を持たれた方は、再放送をどうぞ♪
  ↓
2019年6月15日(土)午前0時~、Eテレ


……レコード、聴きたくなっちゃったな。プレイヤーないんだよな……家中のCDプレイヤーもカセットデッキも壊れかけているんだよな……なんとかしなくちゃ(^^;)。


以上!







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