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ユニコーン、各メンバーの「クセ」が強いんじゃ(笑) [ ・ユニコーン関連]

●近年、ユニコーンの音楽をただ聴くだけではなくコピーして遊ぶようになりまして。コピーしてみて、各メンバーの「作品のクセ」みたいなものがやっと腑に落ち始めたところ(笑)。とくに今回のアルバム『UC100V』は、各個人の「クセ」がわかりやすいですね☆

UC100V (通常盤) (特典なし)

UC100V (通常盤) (特典なし)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: KMU
  • 発売日: 2019/03/27
  • メディア: CD

「クセが強い」5人(笑)の、現段階で感じている「作品のクセ」をメモしておこうかと。極めて個人的なメモです、他の方が読んでも通じないかも……(^^;)。


●以下、メンバー生年順に「楽曲のクセ」「演奏のクセ」「歌のクセ」「作詞のクセ」みたいなものを。


★川西つぁん

【楽曲】 ……短いながらパンチの効いた曲が多いような。あ、選曲会議で「ユニコーン側」(って何?w)にパンチの効いた曲ばかり採用されている……かも!?(「ブルース」とか「ロック幸せ」とか「メダカの格好」とか……) 2コード・3コードなど使用コードの種類が少ないため、ユニコーンいちブルージーな気がする。

【演奏】 ……なんといってもパワーとキレ。迫力。でも、ただドラムの音量を大きくして真似しただけでは、うるさくなるだけ。それをうるさく感じさせない希有な「歌」うドラムだと言えましょう☆

【歌】 ……よく通る声。聴かせなきゃもったいない! 愛すべき歌! もっと聴きたい歌! 明るく朗らかで、聴く者を元気にする歌! 「チョットオンチー」だなんて……「音程」より「歌心」があるかどうかよ!(笑) 最近ライブで聴いたけど、もはや音程も安定してたし(^^)。

【作詞】 ……何気なく非常に前向きな言葉を並べているだけ「のように見える」。けど実はユニコーンいち、鋭い言語感覚で言葉を選んでいる(気がする)。考えなくても耳から心にスパーンと届く「詩」が多い。※松任谷由実も1991年の『月刊カドカワ VOL.9 NO.3』p.64で「特に西川さんの詞には、するどいものがある」と言及している。注1:『ハヴァナイスデー』リリース直後の談話(多分)。注2:言うまでもなく「西川さん」は当時の川西さんの芸名。


★テッシー

【楽曲】 ……TOTOやフィル・コリンズが好きなだけあって、コード使いが非常にクリーンで素直。あまり7thを多用しないのでブルースの対極、「ワルっぽくない」楽曲に仕上がりがち(デモが)。それだけに、編曲が良ければ「デーゲーム」「自転車泥棒」など、素直な名曲に大化けしやすい。

【演奏】 ……非常に鋭く正確なギターのカッティングが印象的。再結成後はやたらと「タッピング(ライトハンド)奏法」が多いが、あれはユニコーン側(何?w)にやらされているだけ。それを器用にこなす技術あり。
ソロで暴れるが、「えっ、何それ???」みたいな非常識なことはしない。実はユニコーン内で(音楽的には)一番マジメで常識的な人かもしれん(笑)。
リズムギターは、ライブでは意外に流しちゃうことがまれにある。

【歌】 ……楽曲同様、優しい声。優しすぎるがゆえ、縁の下の力持ち的役割に回りやすいのか。川西ボーカル曲のメロディー補強役でもある(「ロック幸せ」「イーガジャケジョロ」)。
古い曲で「民生・EBI・テッシー」の三声のとき、実はテッシーパートが一番難しい(「ペケペケ」ほか)が、さりげなくこなしている。5人を2パートに分けて全員で歌っているときも、テッシーはハモリパートの補強に回っている(「WAO!」)。5人の中では「やや低め」「やや太め」声の担当になることも(「CSA」「気まぐれトラスティーNo.1」)。

【作詞】 ……どうやらデモ段階の歌詞は「私小説」風ボヤキ節(電大ではそのまま表に出ている感)。ユニコーンでは「後ろ向き」な歌詞はどうも嫌われる傾向、レコーディング時にこれでもかといじりまくられて、どうやら素材は生かされたまま原形をとどめていない模様(*´艸`)。 ← 過去のメイキング映像の印象より。


★民生さん

【楽曲】 ……まるで「素直な曲を作ってやるものか」と言わんばかりのヒネリを入れる。構成でも遊ぶ(例えば「あやかりたい'65」)から、「ここ、何回繰り返すんだっけ???」とコピー演奏初心者が迷子になることが多い(^^;)。でも聴いていて「カッコイイ&耳に心地良い」ことを一番重視していることは、わかる。曲構成は間延びせず簡潔。何回繰り返すかわからなくなる(笑)箇所も、その「予定調和外し」による心地よさが利いているもの♪
コード使いは川西さんと一、二を争うブルージーさ。でもブルース的な雰囲気は持ちつつも、ブルースより複雑なコードが多いかな。「なんでそっち行くの!?」みたいな離れ業がお得意。押さえるのに苦労するパワーコード(セーハ)を避けられない、複雑なコードも多いよね。
キーも、ロックミュージシャンのわりに「♭」を使うことがあって……泣かされることも(「リンジューマーチ」「与える男」とか)。 ← 難しいのよ、「♭」のキーって! あ、転調も多いよね。民生さんとABEDON、どっちの仕業か知らないけど☆

【演奏】 ……全般的に「後ノリ」傾向。ギターではさほど目立たないが、ベースを弾くとずっしり感じられる。EBIくんの真逆である。本人いわく「テッシーはバシッとした音」で「俺は丸っこい音」とのこと。 ← 出典:「RCMR」。ユニコーンは、この二人のギター音の違いを考えてギタリストを使い分けているらしい。
ソロギターは、即興感に満ちている。解散前の『月刊カドカワ』(詳細失念)で、テッシーが「自分はギターを練習するけど、民生は練習しないでも弾ける」的な発言をしていた記憶(おぼろげ)。ときに、枠を超えるようなソロフレーズで暴れる(「アナマリア」「55」)。なんかよくわからない、音を歪める機械で実験的な音を披露することも多い気がしないでもない(ユニコーンよりソロで、かな?)
でもライブでのリズムギターは、意外に(失礼)ものすごく律儀にキッチリ、一つも音をおろそかにせずに演奏。

【歌】 ……言うまでもない、声量と歌唱力。声域は恐らく3オクターブ近く、声色も七色以上(!?)、表現力もハンパない。うっとり聴いちゃうよね! 3年前のホールツアーに音漏れを聴きに行って、川西ドラムと民生ボーカルしか漏れてこなかったのが非常に印象的(笑)。「現代日本で5本の指に入る歌手」だと、個人的には思っている。

【作詞】 ……初期はいわゆる青春ラブソングっぽい雰囲気だったのに、『服部』前くらいから具体的な悲喜劇の物語に長ける(「HEY! MAN」「服部」「大迷惑」「マイホーム」ほか)。……のに、そこから距離を置いて(?)ボブ・ディラン~井上陽水的な、そのものズバリでないもので核心を描くことが多くなったような。個人的に、感覚的にというより頭で考えて書いていることもあるかな? と感じることがある(「OH! MY RAD10」など)。
韻を踏むことが多い。そして1番と2番(?)で微妙に言い回しを変えることも多い。徹底的に「単純に同じことを繰り返す」のを避ける作風。ゆえに、ご本人までライブで取り違えることが、まれにある(「官一・お宮・ジュリエット」の乱w)。


★EBIくん

【楽曲】 ……ベース弾き語り(?)で作曲していたため、ギターコードに変換すると実に見たことのないコード進行になっていることが多い(「薔薇と憂鬱」「ボルボレロ」ほか)。が、再結成後の作品は比較的ギター弾き語りで作っていることが多いらしく、ギター泣かせの曲は減っている(気がする)(「水の戯れ~ランチャのテーマ」「CRY」「大航海2020」「GET WIND 360°」など)。あ、どちらでともつかない曲もあるね(「夢見た男」)。

【演奏】 ……若い頃よりは落ち着いているけど、大変な「前ノリ」(前のめりのリズム刻み)。それによりユニコーン楽曲のスピード感が増しているといっていいかも? 
ベースギターのフレーズは、正確な十六分音符の刻みと歯切れの良い休符と流麗なスライドが特徴。スライドはホント多くて、美しいね、うん。刻みが適当になったり流麗になったり、スライドがブツブツ切れたりしたら、EBIベースとは似ても似つかない演奏になってしまう。EBIくんは反復練習を「ものすごいする」(各種ライブ&メイキング映像より)らしいから、どこでどうスライドを入れるかなど、けっこう計算し尽くして決められたベースフレーズなんだと思う。「音楽神経」がないと弾けない(>_<)。

【歌】 ……解散前は「甘いマスク&声」のイケメン枠+「犬声」担当(笑)だった。とても高いように聞こえるけど声域は意外に低めという、平井堅さんにも通じるミステリアスな部類の歌い手。ユニコーンで一番声が高いのは、実は音程的にはEBIくんではなくABEDONである(きっぱり)。が、爽やかな高音(犬声)があまりにもよく通るので、ユニコーンコーラスの飛び道具となっている。
再結成後はユニコーン側(笑)に歌い方をいじられ「甘さ」を崩される。ロカビリー風(「お前BABY」)、演歌風(「TAIRYO」)……などと変えた結果、新譜では歌い方のスタイルが少々迷走気味……と言えなくもない(^^;)。

【作詞】 ……「詩」らしい言葉選び、雰囲気作りに長けていると個人的に思う。EBIくん本人にしか歌えないような、大変にロマンチックな世界を持っている(「8月の」とかソロ作品とか)。ともすると「ハードなロックバンド」であるユニコーンの枠から浮きそうなところを、ユニコーン側(だから、それって……w)が編曲・歌い方指導・演出・歌詞改変などで劇的に感動的になりすぎないよう(笑)すり合わせている……ように見えることも(「夢見た男」「道」ほか)。


★ABEDON

【楽曲】 ……この方もヒネルね~! コード進行が一番わけがわからなくて難しい。コードも、新譜は特に「sus4」「add9」みたいなテンションコードが、ものすごく多い。凝っている。一筋縄ではいかない。曲進行も「Aメロ」「Bメロ」「Cメロ」みたいに複雑なことがある(「ZERO」)。
……なんだけど。クラシックか70年代ハードロックか、どちらの影響かはわからないけど、前奏やら間奏やらを「カッチリ8小節」で律儀に区切ることが非常に多い。そこを変則的にゆるがせにすることは少ないような印象。「キーボードとボーカルだけが8小節」って曲は、コピーをするときに他パートは「前奏が終わるまで長いこと待たされる」けど、「構成の複雑さに泣かされて数え間違いをする」ことは少ないとか、そういう感じ(^^;)(「HELLO」「ひまわり」ほか多数)。

【演奏】 ……キーボードは華麗だよね! これもよくわかっていなくて申し訳ないのだけど、あんな複雑な、いくつもの音色を操る演奏を、よくライブでやろうと思えるなぁと(^^;)。実験的な音をいくつもレコーディングしているけど、個人的にはライブで「それをピアノ音に置き換えて表現として成立させる」みたいなところに、大変な音楽的センスを感じる(『Z』ツアーの時の「Maybe Blue」とか)。
弦楽器は、表舞台で弾くようになったのは最近(解散後)なだけあって、弾くフレーズが実にオーソドックス。……と言いたいところだけど、解散前の……「ママと寝る人」だっけ? メイキング映像では「おいしい(ソロ)フレーズ」を弾いていたりするから……やっぱり音楽的センスの高い人だなぁと痛感。
  ↓
ザ・ベリー・ラスト・オブ・ユニコーン DVD Vol.2

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • メディア: DVD
※多分、これに入っていたと思うのよね~。

【歌】 ……解散前は、民生の歌い方の「影響を受け」ている(前述『月刊カドカワ VOL.9 NO.3』p.45、「人生は上々だ」について民生談)こともあって、ファンでも民生さんとABEDONの声の区別がつかない人がいた(ワタシデース (・ω・)ノ)。
再結成後は、民生さんが野太いダミ声(失礼)成分が強くなったため、違いがわかりやすくなった。ABEDONの声は繊細だけど、声にキラキラ成分(専門用語で何ていうの?)が入っていて、華やか&きらびやか。ボーカルだと50歳を超えてもなお、少年のような若々しい声で熱唱。もう声の区別がつかないなんて言わせない!(笑)……と思ったけど「Boys&Girls」なんかで歌パートが民生さんと交差したりすると、やっぱり混ざっちゃってよく区別できない。声の波長が合うんすかねぇ?  声のことも専門的にはよくわからないんだけど、多分ビブラートとか、ちょい音を引っかける歌唱法とか、技巧派でもあるような。
ただ、コーラスとなると徹底的に自分を押さえて、とくに再結成後の三声コーラスでは一番難しいパートで地味に支える側に回る(ビートルズでいうとジョージ・ハリスンの役割)。同様に前述(EBI項)の通り、ユニコーン界で一番高い音が出せるのはABEDONなのに、二声コーラスとなると「高音=EBI、低音=ABEDON」となる。これは声質や声の通り……誰をどこに配置したら、より面白く曲が良くなるかを考慮しての布陣だろうと勝手に思っている。

【作詞】 ……多くは前衛的(ごめんなさい、個人的にABEDONの歌詞世界は今もって理解できておらず……orz)。でも「ひまわり」「HELLO」は泣けるね! 切羽詰まった「熱い思い」がこみ上げてくると万人の心を揺さぶる詞を書く方なのだ……と、個人的に思っているよ。 

※上記に「ユニコーン側」と書いたのは、「本人以外のメンバー4人」くらいの意味。メイキング映像を見る限りでは、ユニコーンって、誰ともなく「これやったら面白そう」ってアイディアを口にして、盛り上がったらホントに採用しちゃう……みたいなケースが多くて(最近はどうか知らないけど)。ま、だいたい民&ABEがプロデューサー目線でいじりまくっているんじゃなかろうか? と憶測。

フゥー (*´ο`*)=3



●新譜『UC100V』が出なかったら、私は恐らく上記のような「各メンバーのクセ」をまとめようとは思わなかったと思う。

『UC100V』は、よく聴いたら細かい工夫(いじり・チャチャともいうw)がたくさん入っている。けどやっぱり、各メンバーのデモに忠実な音作りをしたのではないか……という印象は拭えない(※個人の感想です)

ラジオ番組の印象だけで語るなら、「絶えず5人で団子になってワチャワチャ音作りをする」のは正直しんどく、なんなら全員が個性が強すぎるあまり「ザクッとケガしたり」したことさえある(byテッシー)。それならいま進めているレコーディング箇所に関係ある人以外は「ロビー」で過ごそう……みたいな雰囲気で作品作りが進んだ? 
 → もう、こってりと24時間顔をつき合わせるようなレコーディングの仕方は「卒業」した……? そしたら、これまでの作品ほど「5人でこねくり回したり」「凝りに凝ったり」する時間が長くはなさそうじゃない? 個人の憶測です。

なんか、そんな「ホワイトアルバム」感が、やっぱり拭えんのですよ。

5人の混ざり具合が(これまでよりは)サラサラしている、今回の『UC100V』。だから、聴けば聴くほど「なるほど、この曲の作者はこんなクセなんだな」って部分が際立って聞こえるような。

……と思ったんで、そんな際だった部分をことさらピックアップしてみた次第。
(関係ないけど、いま平成が終わったらしいわ。雨なのにお祭り騒ぎや ^^; )


●個人的には、そんな「ホワイトアルバム感」は寂しく感じる。

叶うことなら、例えば「作詞:川西/作曲:テッシー/編曲:民&ABE/歌:EBI/コーラス:他の4人」みたいな、ユニコーンがゴッチャゴチャに入り交じった曲が聴きたい(笑)。解散前の曲で言うなら、「お年玉」みたいな。あれは「作詞:ABEDON・川西/作曲:ABEDON/編曲:ユニコーン?/歌:ABEDON/コーラス:EBI」。こういう化学反応、けっこう好き♪

そこまでゴッチャゴチャでなくても、「電大チーム原作曲を、民orABEが編曲する」だけでも面白いんじゃないかと思っている。過去に何度かラジオで冗談めかしてメンバー自身が口にした「電大を民&ABEがプロデュース」(それ、ユニコーンまんまやん!)っていう話に近いか(笑)。

とにかく化学反応が見てみたい。いろいろ化けられる要素を持った人たちだから(^^)。『UC100V』でいうなら、個人的には「10Nuts」が相当面白かった♪


……けど。一方で同世代としては、もうそんな「大量にエネルギーを消耗する」仕事の仕方がしんどいのも、わかるのよ。よぉ~くわかるのよ。どんなに明るく元気でタフに見えても、やっぱ「若い頃と同じ」ようにはいかない。だからこその「働き方改」なわけで。

いろんな混ざり方をしたユニコーンが聴きたい。けど、ムリはしないでほしい……けどやっぱり聴いてみたい♪ そんな少々複雑な気持ちで新譜を聴く日々。


……それより、たまたま押し入れから掘り出した上記『月カド VOL.9 NO.3』が、隅々までオモシロすぎる! これについては、いつか少しずつ小出しに記事にしたいくらい♪ これから来る大きな仕事の合間に記事にするエネルギーは見当たらないケド(^^;)。



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