三谷幸喜テレビドラマ『オリエント急行殺人事件』感想 [★映画・ドラマ・テレビ]
●以下、2015年1月12日深夜の日記。
サーバーの不具合で記事が完成できなかったので、前後してアップます(^^;)。
三谷幸喜さんの、久々のドラマ、『オリエント急行殺人事件』。
アガサ・クリスティーの代表作を日本に置き換えてドラマにするというので、三谷作品はハマッたら腹を抱えるワタクシ、楽しみにしておりました。
・フジテレビドラマ『オリエント急行殺人事件』
2015年1月11日(日)・12日(祝)、二夜連続放送
が。
放送日をうっかり失念。録画予約もしていなかった。「ま、当日思い出すでしょ」と。……思い出せず(^^;)。実は我が家、録画機が大変古うございまして。面倒くさいから録画予約もしていなかった(>_<)。テレビ視聴システムのいろいろな都合から、現在、録画予約は昔のようにチクチクと手入力。「○時開始の……○時終了で……○チャンネルで……タイトルは五十音表から……って、ええい面倒くさい!」……(^^;)。
前日の夜(15年1月11日)、推理などがそこそこ好きなお友だちらとチャットをしていたら、「オリエント急行見た」「録画してある」と発言が出て、初めて「しまった、今日だった!」と気づき。
時既に遅し。第1夜は終わっており(T_T)。
しかし、そこから「原作のあらすじを知っていたら第2夜も楽しめると思うよ」という親切な情報をもらい、「サンキュー♪」と当日オンタイムで視聴。
ええ、楽しめました(^^)。
でもポワロならぬ勝呂(すぐろw)を演じる野村萬斎さんの出番は、ほとんど前日だったみたい。
んで、当日は前日の「種明かし」的な側面がチラチラ出てきた。第2夜を見てますます、第1夜の見逃しが残念でした。あ、笑えるドラマではないですけどね(^^;)。でも三谷風の軽やかさは添えてあって、後味は重すぎない。
以下、例によって「お気に入り」の事項を列挙。
いわゆる「ネタバレ」もあります。録画やDVDを「これから見るよ」っていう方は、ここから先はスルーしてください。
●以下、イギリスのテレビシリーズ『名探偵ポワロ』の「オリエント急行殺人事件」は、むかし見て知っており、三谷作品は第2夜だけ見た人の感想です。
まず最初のうちは、三谷ドラマということで笑いがどうまぶしてあるか(ないか)が気になる。
やたら多い登場人物。
「ニノは秘書(……誰の!?)、青木さやかが料理持ってきた……『からだがダル重~』のCMの人が主人公?(違う)
ん? お屋敷に使用人たちが集まっているの? ……ダウントン・アビーのパロディー?」。字幕で名前と肩書きくらいは出たかと思うんだけど、第1夜を見ていないとついていかれず、頭がクルクルする。(@_@)
ついでに言うと、最近、昭和初期を舞台にしたドラマが多い(「花子とアン」「マッサン」他)ため、それらの世界とも重なりかけてしまい、「愛知県の明治村、大繁盛!」と気が散る(笑)。
ただ幸いなのは、大勢いるのがいずれも主役級(!)の豪華キャストだったこと。それがストーリーを飲み込む手助けとなった。
NHKで放送されて先頃終了した海外ドラマ『名探偵ポワロ』の場合は、そうはいかないw いずれも美男美女、それも時代柄みんな似たような髪型で。役者も誰だかわからないし。えっと……さっき叫んだ人と今しゃべった人は同一人物……? などと、なんだかボンヤリした状態で、作品世界にハワーンと浸るだけで終わってしまうの(笑)。
本作の舞台「特急東洋」(笑)は、下関から東京までの国内旅行。
昭和初期の下関から東京と言ったら、それはそれは長旅。
ただ、舞台が日本でしょ? 原作のイスタンブール~カレー(フランス)までという旅の長さと、いろんな国籍の人が列車に乗り込んでいるというミステリアスな雰囲気とは別物だね。
異国人たちで一見何も関係がなさそうなのに、実は……! という、ミステリアスで不気味で謎めいた感じが、(とくに第2夜だけ見たせいか)ちょい薄まったか。
いいんです、それで。別物ですから。
第2夜はとくに、原作にないオリジナルストーリーだし、関係者が顔を揃えたところから始まっちゃっているから。ごく当然の感想、でしょう。っていうか、やっぱり第1夜から見るべきだったでしょう……(^^;)。
「あ、これは三谷さんの『シリアスな方』の作品だ……(笑い少なし)」と思い始めた頃、登場人物の名前に違和感を覚え始める。
「ひるでがわ……さん!? まくうちさん?」
これは、ここに何かあるぞ……と思い、CM中に検索。
あははー、「ひるでがわ」は「ヒルデガード」、「まくうち(幕内)」は「マックイーン」! 「幕」+「内=英語のin」で、「マック+イーン」ですか(笑)。
「アンドレニ伯爵」が「安藤伯爵」とかね。舞台の発端が「剛力家」。現代の売れっ子アイドルにあやかってかと思ったら、さにあらず。原作が「アームストロング(腕っぷしが強い!?)」だからwww
登場人物のほとんどがこの調子! 知っていると楽しめる小ネタでしょう(^^)。ニヤリ。
と思っているうちに、誘拐犯人の揺るがぬ特徴が「引きつり笑い」だ、とw ……あの……お笑いタレントのA.S.さんを意識したでしょ、絶対(笑)。
本筋は決して笑える話ではないんだけど、小ネタ好きとしては、ニヤリ&ニヤリ。
●さて。
ワタクシが知っているのは、前述のように英ドラマ『名探偵ポワロ』(以下、ポワロ)のストーリー。確かストーリーにキリスト教への信仰が深く関わっていたような気がする。ポワロでは、非常に敬虔なクリスチャンであるポワロが苦悩の決断をすることでお話が終わる。その「白黒つけるのに難儀する」結末と人物描写を、どう捉えたものかどうか……(法的には白黒ハッキリしているんですけどね。人情が絡んでくると、どうにもこうにも「正義とは何か」という迷路にはまるお話ではあります)見ている者も人道的に大変考えさせられた。
それをどのように「キリスト教抜きで」日本のお話に?
キリスト教を話の軸にしてあったら、日本人としては感情移入が難しい部分があり、三谷さんがどう翻案するのか。それが一番の関心事だったのだけど……。
第2夜を見ているうちに、わかって、ニヤリ( ̄ー ̄)。
「元禄15年12月14日」に、話を重ねますかwww
これなら、日本人の視聴者でもスンナリ感情移入ができます。ま、ちょっとだけキリスト教の「神」も出てきますけどね。違和感がない程度に。
この話の「重ね」で、面白くなってきました!
多分ね、この設定を一番楽しんだのは作者の三谷さんだと思う。「これだ、これなら日本人でも納得いく!」って発見したとき、嬉しかっただろうなーって(笑)。そのワクワク感が、なんか伝わってくるのですよ。その後も、なかなか実行しない大石内蔵助とイラ立つ四十七士が見え隠れし、その絶妙なパロディー具合に俄然、面白くなってきました。
作戦を反対される → 情に訴える → ほだされる……の繰り返しで、「シットコム」状態で応接間に居る人数が、だんだん増えていく。その間や見せ方が、もうおかしくておかしくて。三谷ワールド、ですね。
あと、登場人物が一人ひとり個性的。ご都合で添え物になっている人が、一人もいない!
ちょっと歪んだ愛(?)を貫く人やら、意外なこだわりを持つ人などに、クスリとさせられる。「セクスィー部長」の言動に、(本人はあくまでも真面目なのに)笑わされます。
「殺人事件」なのでね、大笑いではないです。
でも、原作やポワロや、「12人の怒れる男」みたいな話を何となく知っている人には、あ、オマージュだね(^^)って気づく程度の、クスリ&ニヤリ。
山寺宏一さんと八木亜希子さんには、驚いた。
……どっかで見た顔……誰だったっけ……ああぁっ! Σ(゚д゚;))) って感じ。
どの役かは、ご覧になって確認してくださいね(笑)。
喫茶店のマスターと呉田さんwww
余談ながら、益田悦夫役の小林隆さんは、言わずと知れた『古畑任三郎』シリーズの、名前を覚えてもらえないながら主要人物の警官等、三谷作品でよくお見かけするベテランさん。
山寺さんは三谷さんの人形劇ドラマ「新・三銃士」のメインキャスト(一人数役)。
羽佐間才助(原作のサイラス・ハードマン)役の池松壮亮さんも、同人形劇の主人公・ダルタニアンの声優でしたね。
八木さんもね、三谷映画に主役級で抜擢されていたよね。
もうね、三谷ワールドの名役者さんたちが、ずらり勢揃い。豪華でしたよ!
●……と、ひとしきり面白かったところを挙げているうちに、第1夜を見逃したのが、つくづく悔しくなってまいりました(≧▽≦)。
第2夜が、前編を見ていないにもかかわらず、ついつい引き込まれてしまった面白さ。
これ、前編の第1夜から、(そんなこととは知らずに)見ていたら、面白かっただろうな~ぁ……!
第2夜の後半部分は恐らく、第1夜のメイキング(!?)的なシーンになっていたと思うのですよ。「あの件の舞台裏は、誰が発案してどうやったんだ!?」っていう謎解きの答えに、ね。
それを、第1夜を見たうえで見たかったじゃないですか……。
例えば、イニシャルNの人が疑われることとなったばっかりに、安藤伯爵(玉木くん)が妻「浪子(なみこ)」の旅券を慌てて細工して「良子」にしようとしているシーンとか。何このドタバタコメディー、もっとゆっくり見せて! って気になりましたもの(笑)。
重要な役目を担わされてテンパッた二宮くんのシーンも、かなり面白かった。余計なことながら、我が家の高齢者はアイドルはよくわかっていないのですが、「あの子は紅白の舞台で踊っているより、こっち(演技)の方が断然いいわ~!」と批評家気取りで申しておりました。何様? 気取りなスタイルは、ワタクシに遺伝(笑)。
このフジテレビの「オリエント急行殺人事件」、2015年1月16日現在のテレビCMによると、「オンデマンドで配信」しているそうな。
※万一リンク・情報等に変更があっても、当ページは訂正を行いませんのでご注意ください。
あとね、ワタクシのように録画もし忘れちゃった方が万一いらしたら、DVDも既に予約受付中みたいですよ! 4月1日、エイプリルフールに発売ですと(笑)。
第2夜が面白かっただけに、前夜が見せ場だったと思われる野村萬斎さんの「勝呂」探偵がほとんど見られなかったというのが悔やまれる。
第2夜にはチラッと出てきただけだけど、あの不自然とも思われるしゃべり方は、英国「ポワロ」シリーズの吹き替え担当・熊倉一雄さんを意識した演出だよね? 多分。
先日放送が終わってしまった同シリーズの、熊倉さんの語り口も好きだっただけに、本作第1夜がどこまでそれを意識した作品だったか、いよいよ気になります。
第1夜だけ、なんとしても(いつになってもいいから)見たい! と思っている次第。
ああ、そうそう!
勝呂さんの出した結論がね……三谷作品らしいな、と。
先の「ポワロ」で非常に重苦しい結末を見ており、「これでよいのか!? むむむむむ……」と考えさせられたワタシは、勝呂探偵の台詞に最初、違和感すら覚えたのですが。
「これでよいのか!? むむむむむ……」となってしまっては、三谷コメディーではない!
後味の軽妙さ・爽やかさがあってこその三谷作品だと思うので、そういう意味では「これもあり……だね」との感想を持ちました。
後味は軽いけれども……題材はやはり「殺人事件」であって。第1夜は見ていないからわからないけど、第2夜はリアルな犯行シーンがあります。
これね、「ポワロ」(映画じゃなくて英テレビシリーズ)を見たときの印象と、ほぼ同じ。アングルとか、間合いとか、そういったものから醸し出される雰囲気が、多分……。
このシーンは多分、想像だけど、一番最初に映像化されたものを踏襲しているのでは、と。登場人物の深い思いと苦悩が込められた、重要なシーンですからね……。
なにゆえこの悲劇が起こったのかを、言葉少なながら冗舌に説明しているという……。ここだけはね、「ポワロ」同様、重たいです。
ん~、でも、面白かった!!! (^^)
※ちょっと辛口な個人的感想を申し上げるならば、ワタクシ偏屈なので、三谷作品と宮崎駿作品は、すっごいはまって何度も見たくなるものと「そーでもない」ものとにキッパリ評価が分かれることが多いです……。三谷さんなら『わが家の歴史』は、どーしても後者になってしまって見続けられない(^^;)。個人的に三谷さんの作品で何度見ても見飽きないナンバー1は、以下。
映画館で見て、これほど大笑いさせられたドラマは、他にありません! って、映画館でドラマを見ること自体が、とても少ないのですけど(^^;)。
それか、以前も記事にした以下の、どちらか、ですね。クスリ&ニヤリ&爽やかなラスト♪
……感想が、ひどく長くなってしまいました(汗)。
「オリエント急行殺人事件」に関しては、要は「面白かったです!」のひと言に尽きます(^^)。
サーバーの不具合で記事が完成できなかったので、前後してアップます(^^;)。
三谷幸喜さんの、久々のドラマ、『オリエント急行殺人事件』。
アガサ・クリスティーの代表作を日本に置き換えてドラマにするというので、三谷作品はハマッたら腹を抱えるワタクシ、楽しみにしておりました。
・フジテレビドラマ『オリエント急行殺人事件』
2015年1月11日(日)・12日(祝)、二夜連続放送
が。
放送日をうっかり失念。録画予約もしていなかった。「ま、当日思い出すでしょ」と。……思い出せず(^^;)。実は我が家、録画機が大変古うございまして。面倒くさいから録画予約もしていなかった(>_<)。テレビ視聴システムのいろいろな都合から、現在、録画予約は昔のようにチクチクと手入力。「○時開始の……○時終了で……○チャンネルで……タイトルは五十音表から……って、ええい面倒くさい!」……(^^;)。
前日の夜(15年1月11日)、推理などがそこそこ好きなお友だちらとチャットをしていたら、「オリエント急行見た」「録画してある」と発言が出て、初めて「しまった、今日だった!」と気づき。
時既に遅し。第1夜は終わっており(T_T)。
しかし、そこから「原作のあらすじを知っていたら第2夜も楽しめると思うよ」という親切な情報をもらい、「サンキュー♪」と当日オンタイムで視聴。
ええ、楽しめました(^^)。
でもポワロならぬ勝呂(すぐろw)を演じる野村萬斎さんの出番は、ほとんど前日だったみたい。
んで、当日は前日の「種明かし」的な側面がチラチラ出てきた。第2夜を見てますます、第1夜の見逃しが残念でした。あ、笑えるドラマではないですけどね(^^;)。でも三谷風の軽やかさは添えてあって、後味は重すぎない。
以下、例によって「お気に入り」の事項を列挙。
いわゆる「ネタバレ」もあります。録画やDVDを「これから見るよ」っていう方は、ここから先はスルーしてください。
●以下、イギリスのテレビシリーズ『名探偵ポワロ』の「オリエント急行殺人事件」は、むかし見て知っており、三谷作品は第2夜だけ見た人の感想です。
まず最初のうちは、三谷ドラマということで笑いがどうまぶしてあるか(ないか)が気になる。
やたら多い登場人物。
「ニノは秘書(……誰の!?)、青木さやかが料理持ってきた……『からだがダル重~』のCMの人が主人公?(違う)
ん? お屋敷に使用人たちが集まっているの? ……ダウントン・アビーのパロディー?」。字幕で名前と肩書きくらいは出たかと思うんだけど、第1夜を見ていないとついていかれず、頭がクルクルする。(@_@)
ついでに言うと、最近、昭和初期を舞台にしたドラマが多い(「花子とアン」「マッサン」他)ため、それらの世界とも重なりかけてしまい、「愛知県の明治村、大繁盛!」と気が散る(笑)。
ただ幸いなのは、大勢いるのがいずれも主役級(!)の豪華キャストだったこと。それがストーリーを飲み込む手助けとなった。
NHKで放送されて先頃終了した海外ドラマ『名探偵ポワロ』の場合は、そうはいかないw いずれも美男美女、それも時代柄みんな似たような髪型で。役者も誰だかわからないし。えっと……さっき叫んだ人と今しゃべった人は同一人物……? などと、なんだかボンヤリした状態で、作品世界にハワーンと浸るだけで終わってしまうの(笑)。
本作の舞台「特急東洋」(笑)は、下関から東京までの国内旅行。
昭和初期の下関から東京と言ったら、それはそれは長旅。
ただ、舞台が日本でしょ? 原作のイスタンブール~カレー(フランス)までという旅の長さと、いろんな国籍の人が列車に乗り込んでいるというミステリアスな雰囲気とは別物だね。
異国人たちで一見何も関係がなさそうなのに、実は……! という、ミステリアスで不気味で謎めいた感じが、(とくに第2夜だけ見たせいか)ちょい薄まったか。
いいんです、それで。別物ですから。
第2夜はとくに、原作にないオリジナルストーリーだし、関係者が顔を揃えたところから始まっちゃっているから。ごく当然の感想、でしょう。っていうか、やっぱり第1夜から見るべきだったでしょう……(^^;)。
「あ、これは三谷さんの『シリアスな方』の作品だ……(笑い少なし)」と思い始めた頃、登場人物の名前に違和感を覚え始める。
「ひるでがわ……さん!? まくうちさん?」
これは、ここに何かあるぞ……と思い、CM中に検索。
あははー、「ひるでがわ」は「ヒルデガード」、「まくうち(幕内)」は「マックイーン」! 「幕」+「内=英語のin」で、「マック+イーン」ですか(笑)。
「アンドレニ伯爵」が「安藤伯爵」とかね。舞台の発端が「剛力家」。現代の売れっ子アイドルにあやかってかと思ったら、さにあらず。原作が「アームストロング(腕っぷしが強い!?)」だからwww
登場人物のほとんどがこの調子! 知っていると楽しめる小ネタでしょう(^^)。ニヤリ。
と思っているうちに、誘拐犯人の揺るがぬ特徴が「引きつり笑い」だ、とw ……あの……お笑いタレントのA.S.さんを意識したでしょ、絶対(笑)。
本筋は決して笑える話ではないんだけど、小ネタ好きとしては、ニヤリ&ニヤリ。
●さて。
ワタクシが知っているのは、前述のように英ドラマ『名探偵ポワロ』(以下、ポワロ)のストーリー。確かストーリーにキリスト教への信仰が深く関わっていたような気がする。ポワロでは、非常に敬虔なクリスチャンであるポワロが苦悩の決断をすることでお話が終わる。その「白黒つけるのに難儀する」結末と人物描写を、どう捉えたものかどうか……(法的には白黒ハッキリしているんですけどね。人情が絡んでくると、どうにもこうにも「正義とは何か」という迷路にはまるお話ではあります)見ている者も人道的に大変考えさせられた。
それをどのように「キリスト教抜きで」日本のお話に?
キリスト教を話の軸にしてあったら、日本人としては感情移入が難しい部分があり、三谷さんがどう翻案するのか。それが一番の関心事だったのだけど……。
第2夜を見ているうちに、わかって、ニヤリ( ̄ー ̄)。
「元禄15年12月14日」に、話を重ねますかwww
これなら、日本人の視聴者でもスンナリ感情移入ができます。ま、ちょっとだけキリスト教の「神」も出てきますけどね。違和感がない程度に。
この話の「重ね」で、面白くなってきました!
多分ね、この設定を一番楽しんだのは作者の三谷さんだと思う。「これだ、これなら日本人でも納得いく!」って発見したとき、嬉しかっただろうなーって(笑)。そのワクワク感が、なんか伝わってくるのですよ。その後も、なかなか実行しない大石内蔵助とイラ立つ四十七士が見え隠れし、その絶妙なパロディー具合に俄然、面白くなってきました。
作戦を反対される → 情に訴える → ほだされる……の繰り返しで、「シットコム」状態で応接間に居る人数が、だんだん増えていく。その間や見せ方が、もうおかしくておかしくて。三谷ワールド、ですね。
あと、登場人物が一人ひとり個性的。ご都合で添え物になっている人が、一人もいない!
ちょっと歪んだ愛(?)を貫く人やら、意外なこだわりを持つ人などに、クスリとさせられる。「セクスィー部長」の言動に、(本人はあくまでも真面目なのに)笑わされます。
「殺人事件」なのでね、大笑いではないです。
でも、原作やポワロや、「12人の怒れる男」みたいな話を何となく知っている人には、あ、オマージュだね(^^)って気づく程度の、クスリ&ニヤリ。
山寺宏一さんと八木亜希子さんには、驚いた。
……どっかで見た顔……誰だったっけ……ああぁっ! Σ(゚д゚;))) って感じ。
どの役かは、ご覧になって確認してくださいね(笑)。
喫茶店のマスターと呉田さんwww
余談ながら、益田悦夫役の小林隆さんは、言わずと知れた『古畑任三郎』シリーズの、名前を覚えてもらえないながら主要人物の警官等、三谷作品でよくお見かけするベテランさん。
山寺さんは三谷さんの人形劇ドラマ「新・三銃士」のメインキャスト(一人数役)。
羽佐間才助(原作のサイラス・ハードマン)役の池松壮亮さんも、同人形劇の主人公・ダルタニアンの声優でしたね。
八木さんもね、三谷映画に主役級で抜擢されていたよね。
もうね、三谷ワールドの名役者さんたちが、ずらり勢揃い。豪華でしたよ!
●……と、ひとしきり面白かったところを挙げているうちに、第1夜を見逃したのが、つくづく悔しくなってまいりました(≧▽≦)。
第2夜が、前編を見ていないにもかかわらず、ついつい引き込まれてしまった面白さ。
これ、前編の第1夜から、(そんなこととは知らずに)見ていたら、面白かっただろうな~ぁ……!
第2夜の後半部分は恐らく、第1夜のメイキング(!?)的なシーンになっていたと思うのですよ。「あの件の舞台裏は、誰が発案してどうやったんだ!?」っていう謎解きの答えに、ね。
それを、第1夜を見たうえで見たかったじゃないですか……。
例えば、イニシャルNの人が疑われることとなったばっかりに、安藤伯爵(玉木くん)が妻「浪子(なみこ)」の旅券を慌てて細工して「良子」にしようとしているシーンとか。何このドタバタコメディー、もっとゆっくり見せて! って気になりましたもの(笑)。
重要な役目を担わされてテンパッた二宮くんのシーンも、かなり面白かった。余計なことながら、我が家の高齢者はアイドルはよくわかっていないのですが、「あの子は紅白の舞台で踊っているより、こっち(演技)の方が断然いいわ~!」と批評家気取りで申しておりました。何様? 気取りなスタイルは、ワタクシに遺伝(笑)。
このフジテレビの「オリエント急行殺人事件」、2015年1月16日現在のテレビCMによると、「オンデマンドで配信」しているそうな。
※万一リンク・情報等に変更があっても、当ページは訂正を行いませんのでご注意ください。
あとね、ワタクシのように録画もし忘れちゃった方が万一いらしたら、DVDも既に予約受付中みたいですよ! 4月1日、エイプリルフールに発売ですと(笑)。
第2夜が面白かっただけに、前夜が見せ場だったと思われる野村萬斎さんの「勝呂」探偵がほとんど見られなかったというのが悔やまれる。
第2夜にはチラッと出てきただけだけど、あの不自然とも思われるしゃべり方は、英国「ポワロ」シリーズの吹き替え担当・熊倉一雄さんを意識した演出だよね? 多分。
先日放送が終わってしまった同シリーズの、熊倉さんの語り口も好きだっただけに、本作第1夜がどこまでそれを意識した作品だったか、いよいよ気になります。
第1夜だけ、なんとしても(いつになってもいいから)見たい! と思っている次第。
ああ、そうそう!
勝呂さんの出した結論がね……三谷作品らしいな、と。
先の「ポワロ」で非常に重苦しい結末を見ており、「これでよいのか!? むむむむむ……」と考えさせられたワタシは、勝呂探偵の台詞に最初、違和感すら覚えたのですが。
「これでよいのか!? むむむむむ……」となってしまっては、三谷コメディーではない!
後味の軽妙さ・爽やかさがあってこその三谷作品だと思うので、そういう意味では「これもあり……だね」との感想を持ちました。
後味は軽いけれども……題材はやはり「殺人事件」であって。第1夜は見ていないからわからないけど、第2夜はリアルな犯行シーンがあります。
これね、「ポワロ」(映画じゃなくて英テレビシリーズ)を見たときの印象と、ほぼ同じ。アングルとか、間合いとか、そういったものから醸し出される雰囲気が、多分……。
このシーンは多分、想像だけど、一番最初に映像化されたものを踏襲しているのでは、と。登場人物の深い思いと苦悩が込められた、重要なシーンですからね……。
なにゆえこの悲劇が起こったのかを、言葉少なながら冗舌に説明しているという……。ここだけはね、「ポワロ」同様、重たいです。
ん~、でも、面白かった!!! (^^)
※ちょっと辛口な個人的感想を申し上げるならば、ワタクシ偏屈なので、三谷作品と宮崎駿作品は、すっごいはまって何度も見たくなるものと「そーでもない」ものとにキッパリ評価が分かれることが多いです……。三谷さんなら『わが家の歴史』は、どーしても後者になってしまって見続けられない(^^;)。個人的に三谷さんの作品で何度見ても見飽きないナンバー1は、以下。
映画館で見て、これほど大笑いさせられたドラマは、他にありません! って、映画館でドラマを見ること自体が、とても少ないのですけど(^^;)。
それか、以前も記事にした以下の、どちらか、ですね。クスリ&ニヤリ&爽やかなラスト♪
……感想が、ひどく長くなってしまいました(汗)。
「オリエント急行殺人事件」に関しては、要は「面白かったです!」のひと言に尽きます(^^)。
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