すごいもんのすごさを知るには真似したものを聴け、という話。 [ ・ユニコーン関連]
●ユニコーン……って、「あの、おちゃらけたオッサンバンド」と思ったら、大違い。
音楽としてもすごいことやっているんだよ……というのは、
本物よりも、本家を真似たバンドを聴いたときにつくづくわかる。
以下、他のバンドの例からも、つくづくそう思った……という話。
(毒舌ゴメンナサイ)
●いくつか、例を挙げます。
(その1)
たまたまテレビで、スカパラっぽいバンドを見た。
使用楽器とスーツが似てる……。しかし、音の迫力が違う。楽器数が圧倒的に少ない、というハンデはあった。
そのバンドも、決して下手なわけではなかった。のだけど。
どこか音がまとまってなくて、物足りない感じがしてならなかった。
→ スカパラは上手なだけじゃない、プラスαを持っているんだね!
熱さとかエネルギーとか、そんな抽象的な言葉しか出てこないんだけど……。
人を引きつけるナニカを。
(その2)
ポール・マッカートニー御大が体調不良、ただいま都内で静養中とのニュース(;_;)。
公演がキャンセルになった日、コピーバンドのライブが盛況だったとか。
テレビで聞いたその音は、ビックリするほどビートルズに似せていた。
似ている。すごく。けど、本家とはやっぱりナニカが違う。
→ ビートルズも上手なだけじゃない(むしろ上手な人は他にも……)、
これまたプラスαがとても大きな人たちだったのだね!
コピーを聞くたびに、ビートルズにしか出せない音だったのだと知る。
(その3)
で、本題のユニコーンですよ。最近ではコピーバンドがたくさん聴けるのね。
それを聴いていて思う。「シロウトとしてはうまい方。けど、決定的にナニカが違う!」
ユニコーンのコピーバンドの場合は、「ナニカ」が何であるか、だいぶわかる。
一つにはキャラの濃さ(笑)。いくらコスプレしても、あの言動はできない。
二つめには録音環境の悪さ。ベースやドラムが聞こえにくい。
これはまあ、シロウトさんだから、どうしてもしょうがない話。ハンデではある。
三つめが本題、ノリの話。
例えばコピーバンドの「Feel So Moon」を聴いて、ご本家との違いにビックリする。
(ある特定のバンドのことではなく、総じて以下のような感じ……)
同曲Aメロのドラム、コピーバンドは単純に「……タッ……トン」と叩いているように聞こえる。
けど川西ドラムは「ツツダツツドンツ」と、叩かぬリズムまで刻んでいるように感じる!
これは川西さんが「休符も勘定している」からなんだよ、多分。
●ワタクシ学生時代、音楽サークルに参加。
ちょっと音楽のことをわかっているギター少年たちが、しきりと言っていた。
「休符も弾かないと、音楽にはならない」と。
生意気盛りの少年らはそれ以上のことを教えてくれなかった(笑)ので、「何のことやら」。
あれからウン十年。
自分がバンドでベースを弾いてだいぶ経ってから、その意味がわかった。
音符が書いてある場所に決まった長さの音を置くだけでは、音楽にならないのね!
楽譜通りに弾いているつもりなのに、音がダラダラ流れていくだけで、
ノリってものが作れなかった。いわゆるgdgdに。当時のメンバーよ、御免(^^;)。
その後、ビートルズだけでなくいろんな楽曲を少々コピーし、
挙げ句チャーさんの16ビートにまで手を出してみて、
楽譜で音がない間もビートを意識していないと、次に出す音が曲に乗らないことを痛感。
ギターを弾く人にはわかることでしょう。
ピックを上げ下げしている時、全部音を出しているとは限らない。
空ピックで、音を弾いていないときもビートを意識している。
これが、「じゃあ、意識していれば問題ない」……かというと、そうではない。
次に、意識した音が表現できているかどうか……という問題に突き当たる。
表現できるようになるためには……ひたすら練習! ですかねぇ……?
ビートルズだろうがユニコーンだろうが、コピーバンドを聞いてて「あちゃぁ……」と思うのは、
このビート意識のなさ(!?)を感じたときなのね。
ユルユルダラダラ締まりのない音は、コピーであろうがなかろうが、かっこ悪い。
で、「Feel So Moon」Aメロドラムに話を戻す。
コピーバンドの「……タッ……トン」は、「タ」と「トン」のところにしか音がない。
いや、ハイハットはちゃんと8分音符を刻んでいる。なのに、よ!?
そのハイハットの8分刻みを努力して聞き取ろうとしても……「タ」と「トン」が別物になっていて、
その間の休符が完全に切り離されちゃってて、自然な流れとしては入ってこない……とでも言おうか。
よって、ビートを感じるのがムズカシイ。
でも川西ドラムは「ツツダツツドンツ」と、きっかりクッキリ、8ビートが聞こえるのね。
「タ」と「トン」の間も歌っているみたいに。
あえてハイハットを聴かずスネアとタムだけに集中して聞いても……なんて言うかな、
流れの中の必然的な場所にビタッと音が入っている気持ちよさがあるっていうか……。
その流れに、身体が乗っていくんだよねぇ(^^)。
もっともこの問題は、同曲をライブ演奏で聴いてみないことには検証できないんだけどね……。コピーバンドはライブ演奏だから、同じ条件で比較しないとハンデが大きいからね。でもユニコーンのライブバージョンは、まだテレビで数小節しか聴いたことがないの……(;_;)。
●コピーバンドの悪口が言いたいんじゃないのよ。
自分も下手なのにやっているし、しかも8ビート刻めてないし(笑)。
ただね、プロのミュージシャンたちが「当たり前のように」やっているものだから、
「あ、そういうもんか(上手くて当たり前)」みたいに聞いちゃっているけど、
あそこに至るまでがまず、とんでもなく大変なんだからね、と痛感。
「シロウトの中では上手い方で、ある程度の心得や自信がある人たち」でさえ、
ビートの輪郭がはっきりできないんだから……その難しさ、推して知るべし(^^;)。
真似している人の「真似できていない部分」を知って初めて、
一流の人の一流たるゆえんがハッキリとわかるのでありました。
シロウトとプロの間には、暗くて深い溝がある……(笑)。
●あの「ビートの表現」って、どうやったら身につくのかしらね?
そんなことが最近、気になって仕方がないのですよ……。
努力すればある程度はできるようになる? それとも、やっぱ天性のもの?
プロのミュージシャンがサラッとやっていることが、実はそれだけでもムズカシイ……
それを知ってからユニコーンを眺めると、「ムズカシイ」にさらに「面白い」をプラスしてて、
どんだけムズカシイことやっているんだ……と驚愕しまする。
かつ、「音的にカッコイイ」だけでも行ける人たちなのに、あえてそこに行きたくないという
天の邪鬼具合(笑)が、とても愛おしくなるのです♪
そんなことを思いながら『イーガ...』などの付属DVD(MOVIE)を見ていると、
レコーディングのOKラインが、すっごい細かいもんね。
「(歌の)感じはいいけど音程がダメで~す」っていうのはかろうじてわかるけど、
でも今、売れている人でそのくらいの音程で出している人、いっぱいいいるよ?(毒 ^^; )
もう少し毒を吐くと、最近のテレビCMは音程を外すのがブームらしく。わざとひどく音程が外れた歌で耳目を集めようとしている。聞くたびに「うわっ、やめて!(>_<)」と耳をふさぐハモリすらある。特殊コーラス「ジュレ~~」が、むしろ「普通」に聞こえる(笑)。
ましてや過去のMOVIEで「(リズムが)そろっていない」だの
「(ギターが)惜しい」だの言っている場面は、
え、今のは何が??? って、シロウト耳じゃわからないもんね(^^;)。
これが「ホントだ、惜しい」って聞こえる耳が持てたら、少しは上達するかしらね?
でも先日、某番組で放送してた「39歳以下に聞こえるモスキート音」が聞こえなかったから、急いだ方がいいのかな(笑)。
●余談。「はいYES!」をまだ聴いたことがないのだけど、元ネタがあんなことになっちゃって
ライブなんかで使いにくくなってないですかね?
けっこう大きなニュースに、思わず同曲の先々を心配してしまったよ……(^^;)。
2014-05-25 21:00
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