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『アメリ』とクドカン演出の類似点!? [ ・クドカン世界&『あまちゃん』]

●ちょっと話が遡って、三日前にNHK BSプレミアムで放送された映画『アメリ』(2001年)のこと。
オープニングの音楽やクレームブリュレをスプーンで叩くシーン、
公開時にCMでたくさん見聞きした気がする。ヒットしたんでしょうね。

NHKが放送するんだから……と油断し、うっかりカタブツの高齢者と一緒に視聴。
……大人の恋愛をオープンに語れない人とは一緒に見ない方が良いです(笑)。
NHKらしからぬ、大人の描写がチョイチョイ入っていて、場が凍りつきました(^^;)。
フランクな感覚なら、笑える場面、なんだけど。

んでも、一緒に見る相手さえ選べば、とてもおもしろい映画だったかと。
空想の中に閉じこもっていた主人公女子が、いかに世界を広げて現実と向き合えるようになるか。
……を、奇想天外なコメディータッチで描いています。

笑えるいたずらも一杯。先に書いた「大人の恋愛については口に出すのもはばかる」高齢者でさえ、
映画を見終わったあと、「どのシーンのどこがおかしかったわねぇ(^^)」などなど、感想てんこ盛り。
本国では大ヒットしたそうな。

前置きが長くなっちゃった。

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●そんな『アメリ』を見ていたら、『木更津キャッツアイ』~『あまちゃん』に通じる演出が!

クドカン作品の印象深い場面の一つに、映像の「早回し」がある。
『木更津キャッツ……』でも『あまちゃん』でも、登場人物が焦る気持ちで
長距離移動をするとき、電車の走行シーンが早回しになる。
単なる「作品の時間短縮」以上の意味合いが出てくる、おもしろ演出として。

その「電車の早回し」が、『アメリ』にも出てきた!
主人公アメリが移動しているとき、パリの電車が早回しで行ったり来たり。
アメリの忙しい気持ちが表れているうえ、何となくおかしみがあり「クスリ」と笑える。

しかし「クドカン早回し手法」のルーツは『アメリ』だった……の!?
『木更津……』以前の作品を見てないし、よくある手法なのかもしれないので何とも言えませんが。
ちょっと意外な共通点に、軽くビックリした次第。

クドカン作品では電車のみならず、「オタクさん」たちの大挙や海女クラブの皆さんの忙しさの表現でも早回ししてたように思うし(うろ覚え)、『木更津……』では、「逆&早回し」も頻出する。とある場面から遡って、別の登場人物が何をしていたか明らかにする際に。ここまで応用してあると、もはやクドカンオリジナル。おもしろい表現手法だな~、と常々思っていたんだけど。

あ、でもそんなに意外でもないかな。
『アメリ』もクドカン作品も、基本的に壮大な空想(妄想?)力に支えられているのが共通。
笑いの要素を意識的に盛り込んであるのも、テンポがいいのも、
各人の個性が徹底的に描かれていて、決して交わらないんだけど
少しずつ影響を与えあっていくような関係性が描かれていたりして。
そういう、登場人物一人ひとりがしっかり描かれた映像作品、好きです♪


●もう少しちゃんと『アメリ』の感想を述べるなら。

主要登場人物の妄想は、冷静に考えたら「ほぼビョーキ」レベル。
出てくる人々それぞれに、心の病の名前を付けようと思えば付けられそうな(^^;)。
けど、それを病気には見せない。どころか、ファンタジーとしてコチラを魅了する。

作者の妄想力は半端なく大きいんだけど、妄想だけで終わっていないというか。
見る側がどう捉えるか、まで冷静な視線で計算し尽くしてあるというか。
これだけ「ワケのわからない癖を持つ人々」が集結した世界なのに、
決して「ワケのわからない映画」にはなっていないのが、素晴らしいと思う。

これ、もし妄想だけをズラズラ並べた映画だったら(そーゆー映画も中にはあるけど)、
途中で見るのをやめただろうな……。
見る者を現実世界に留めずに映画世界に引っ張り込む力も、強いみたい。

周りの人が喜ぶいたずら、楽しいよね。オハナシだからうまくいくんだけど。
見たあと、多くの登場人物たちがそうであったように、コチラもちょっとハッピーになりました♪

まあ、大人のための寓話、ですね。
コメディーやファンタジーが苦手な方には、オススメできないかも。
ワタシは好きです♪

何だかまとまりません(^^;)が、見たよ、というご報告かたがた。



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