SSブログ

NHKドラマ「火の魚」 [★映画・ドラマ・テレビ]

●ドラマ「火の魚」、2010年9月20日、再放送。
公式サイト:http://www.nhk.or.jp/hiroshima/program/etc2009/drama09/

年輩の小説家(原田芳雄)と女性編集者(尾野真千子)の、
恋愛感情も死生観も交えた非常に微妙な心のやりとりを描いた、テレビドラマ。
原作・室生犀星。

多分今年3月の放送を見ているんだけど、「ながら見」。
途中から引き込まれて見たら最後の台詞があまりにおもしろくて、
「最初から見とけばよかった~」と後悔した覚えがある。

だから全編通して初めて見たのは初めて。
とにかくおもしろかった。
「死生観を交えた」って書いたけど、全編に洒脱なユーモアが漂っているのよね。
ストーリーだけ見ると、決して笑うようなものではない、深刻な題材なのに。

渡辺あやさんの脚本が、面白いのよね。
と思ったら、『ジョゼと虎と魚たち』、『メゾン・ド・ヒミコ』、『天然コケッコー』など、
未見ながら気になっている映画脚本を書かれた方なのね。

あと黒崎博さんの演出も、好みだったかも。

・緊迫した丁々発止の途中の作家の内言が、原稿用紙に書かれている。
 メイドカフェ → 「冥土珈琲」? と。
 ひねくれているんだけど、何てかわいい人なんだろう! と思わされ。

・重たい事実を受け取って帰るシーン。
 けど、主人公によるナレーションでは、むしろ重たさはなく。すがすがしさすらあるのね。
 で、シメの主人公の台詞が……。(みなまで言いますまい)
 いや、忘れるから書いておくか。「タバコ、吸いてぇ~!」。生きることを諦めかけていた主人公が、それに真っ向から立ち向かっている人と対面して強いエネルギーを受け取り、息を吹き返した……みたいに見えた。

●Wikipediaを参考に推測するに、これって室生犀星の経験談、なのかしら?
と思ってたら、Amazonサイトに以下を称して「凄絶なガン闘病記」とあるから……
ドラマと事実は、だいぶ違うようですね。

原作にもあたってみたいところなり。


蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫)

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫)

  • 作者: 室生 犀星
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1993/04/28
  • メディア: 文庫
これには、原作は収録されていない模様。
『火の魚』(古書)は、Amazonでは2010年9月現在、扱いがないとのこと。
図書館にでも行きますか。


【10/09/27、追記】
これまでにも既にいろいろ賞をもらっていたドラマだったのですが、
9月24日付のニュースによると、さらに「『イタリア賞』を受賞しました!」だそうです!
(出典:ドラマ「火の魚」公式サイトスタッフ日誌
おめでとうございます!


【11/09、再追記】
2011年7月に、主人公を演じた原田芳雄さんが逝去されました。
昔の作品は知らないので、真っ先にこの作品を思い出した。
見なかったけど、追悼で再放送されたようですね。
けどまさか、この作品撮影中、ご本人がガンの手術後だったとは!
(確か。最近の朝日新聞でそのように見た気がする)
話の内容がご本人の病気と重なる。よくお受けになったな、と
その役者魂に震える思いがしました。
心からご冥福をお祈りいたします。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0