振り返り「たま」 [ ・たま]
※後から思い出した、「たま」のルーツ(!?)CD・関連本リンクを追加。
●暖かくなったので部屋の片付けをしていたら、古い地層(笑)から「たま」関連資料を発掘。
ユニコーンの「デビュー」~「一旦解散」時期にユニコーンを聞いていなかったのは、「たま」を追うのに忙しかったから。ライブチケットの半券がウジャウジャ出てきた(^^;)。
かくして、ただ今のマイブームは「たま」の楽曲。
前にも記事にしたことがあるけど、おさらい。
もともとインディーズでは熱狂的ファンもいたらしい「たま」。1990年(平成2年)、テレビ番組いわゆる「イカ天」を経てメジャーデビュー後、テレビCMに出るわ、「さよなら人類」はヒットするわ……。一挙に「ホールツアー」を行う人たちになっていました。
おかげで同年夏頃には、ワタシのような流行に疎い者の耳にも届くようになり。
「地層」から掘り出した雑誌『ちくま』によると、昭和30年代の文学的背景が作品に散見されるとか何とかかんとか。
いろんなマスメディアに書いてあった「アコースティックで懐かしいような怖い音楽」という評に興味を持ち、好奇心からライブに1回行ったところ、その個性の強さに病みつきに。
●「たま」の魅力は、ライブ演奏のアドリブの豊かさ。
同じ曲でも毎回、絶対にどこかが違うのです。
その日の演奏ノリの違いはもちろん、前奏も、歌詞も。歌の中に演劇チックな語りあり。
それも毎回違う。アレンジなどを完全に固定したりせず、自由に遊ぶ。
その「自由」に合わせる他メンバーの呼吸もバッチリ。
要はアドリブに長けた、実力派バンドだったのです。
「たま」は元々、一人で歌も楽器も作詞作曲もしていた多芸さんの集まり。一人として「何もしていない人」がいない、濃~い集団。
メンバーの一人が脱退してしまう前、いわゆる「4たま」時代のことしか知りませんが、その頃の魅力を挙げてみましょう。(敬称略)
★石川浩司 (通称「石川さん」)
・担当:パーカッション。ボーカル、コーラス、語り。まれにオルガン、ギター。
・見た目:「たまのランニング」とあだ名される、あまりに印象的な見た目。
・役割:リズムの良さとアドリブ的合いの手でライブを勢いづける人。オルガナイザーでもある。
・作風(詞):「子どもの頃の悪夢」的シュール。反骨精神からダークな言葉をあえて選ぶ?
(楽曲):意外にアップテンポでノリノリのロックが多いかも!?
・その他:語りに破綻がない。夢(無意識)の世界をつかむ巧者。漫画家・つげ義春からの影響をよく口にされていたような気がする。
★滝本晃司 (通称「Gさん」)
・担当:ベースギター。ボーカル、コーラス。スライドする、歌うベースが特徴。
・見た目:シュッとした2枚目。一見、普通の物静かな人。
・役割:女子の目をハートにさせる?
・作風(詞):どこか恋愛っぽいんだけど、静かに淡々と狂っていく美的シュール。
(楽曲):コードが変わっているけど、とにかくどれもオシャレで美しい。
・その他:書道が上手。芸術家っぽいイメージが強かったなぁ。全員芸術家だけど。
★柳原幼一郎 (通称「ヤナちゃん」)
・担当:ピアノ、アコーディオン、オルガン、ピアニカ、ギター。ボーカル、コーラス、語り。
・見た目:よくヘアスタイルを変えてた印象。なよっとした元歌舞伎研究会の女形っぽさも人気。
・役割:アドリブ演奏やウィットに富んだ語り、妙な踊りなどで観客を乗せる。おちゃらけリーダー。
・作風(詞):メルヘン寄りシュール? 宇宙を漂うような、地に足着かない現実感なき世界。
(楽曲):洋楽ポップ調。4人の中では軽やかな方。
・その他:ボーカル表情豊か。演劇っぽい。声域も歌い方も幅広い。ボーカル曲数が圧倒的に多いが、ボツ曲も多い。多作。「虚言癖」キャラ。
★知久寿焼 (通称「知久さん」「ちっくん」)
・担当:ギター、マンドリン、ウクレレ、ブルースハープ。ボーカル、コーラス。
・見た目:おかっぱ頭と手作りのブカブカ服、「たま」二大イメージの一人。
・役割:しゃべりはのんびりしているけど、実はライブ進行をしっかり行っていた印象強し。
・作風(詞):深くて暗くてもの悲しい異形の歌が多かったような。
(楽曲):昭和風、かわいい曲が多い印象だけど、根はブルース……? ねっとり重い。
・その他:甲高い歌声が特徴。ボーカル曲多く、ボツは少ない? そういえば「遅刻」キャラでした……。怖かわいいイラストやロゴも担当。
この個性がブレンドされたコーラスワークが、また素敵で。多数ある「柳原×知久」ハモリは、鉄板。「S&G」「レノン&マッカートニー」「民&阿部」に匹敵(笑)。
四声コーラスはさすがになかった気がするけど、「三声×合いの手」はあったかな? 全員の声がまんべんなく印象的だったなぁ……。
毎回違う演奏をしているとなったら、見落とすわけにはいかないじゃないですか(笑)。
……というわけで、多分1990年終わり頃~1995年頃までハマっていたかな。
熱心に追いかけていたけど、1995年、好きだった柳原幼一郎さんが脱退。メジャーデビュー後の詩に現れた「自意識」が好みと合わなかったり、個人的に仕事が忙しくなったりしたこともあって、離れてしまいました。
彼らがただのイロモノ楽団ではなかった証拠に、彼らの音楽には感受性の柔らかい子どもたちが引き寄せられる模様。
恩師の子どもにCDを貸したら、そこから音楽に目覚め立派な音楽愛好家に成長(笑)。
馴染みの学童保育にて聞かせたら、子どもたちが目をキラキラさせてました。
「大人の事情」でメジャーで出すには難しい詩作が多いものの、老若男女の心の奥深くに届く作品を作る人たちなのです。
●独り言が長くなりました。以上が前置きです。
本題は、「『たま』のライブレポートが見つかったのでアップします!」
ホントは確か結構な勢いでライブに足を運んでいたと思うんだけど……。メモは2本分しか残っていませんでした。
どんなライブだったのか、覚え書きを整理しておこうかと。
そんな記事、ニーズは無さそうな気もしますが……最近、リアルタイムを知らない若い方々が新たにファンになっているとのこと。記憶が今以上薄れてしまう(^^;)前に、記録にしておこうと思っています♪
【関連記事】
・振り返り「たま」……当ページ
・「ホールきゃべつツアー」'91初日@川崎市教育文化会館……後日アップ予定
<参照>
※石川さんが多大なる影響を受けたとされる漫画家。上記、読みました。が、怖いし、凡人女子であるワタクシには捉えどころがわからなかった(^^;)。
※ヤナちゃんが高校時代に読んだ作家として挙げられていた方。難解だとか……。
※このアルバムかどうかはわかりませんが、知久さんが敬愛するミュージシャンの一人として挙げていた、ライ・クーダー。むかし聞きましたが素朴で素直な印象!? 「たま」のどの辺に影響したか、定かではありません……(^^;)。
※詩人・長田弘さんの名も、「たま」のメンバー(か、もしかしたら竹中労さん?)の口から上っていたような。彼ら経由で、この本を読みましたから。
……Gさんは「無口」だったためか、詳しいルーツがよく把握できず。井上陽水、吉田拓郎、筒井康隆などの名が挙げられていて、石川さんの影響でつげ義春も読んだと、以下のインタビューで答えておられました。
※ビートルズの通称『White Album』を意識した装丁だったんじゃなかったっけ?(違ったらゴメンナサイ)
「たま」の本、今パラッと眺めたら、昭和文壇史・昭和歌謡史の知識がないと、ちとツライ感じ。けど逆に、ここから「たま」のルーツを知り、さかのぼって昭和カルチャーを知ることができる、大変に貴重な内容のような気がします。
いや~、竹中さんの話についていけている当時20代の「たま」の皆さん、今見ても相当の文化人たちです。ルーツが渋いっす。
●暖かくなったので部屋の片付けをしていたら、古い地層(笑)から「たま」関連資料を発掘。
ユニコーンの「デビュー」~「一旦解散」時期にユニコーンを聞いていなかったのは、「たま」を追うのに忙しかったから。ライブチケットの半券がウジャウジャ出てきた(^^;)。
かくして、ただ今のマイブームは「たま」の楽曲。
前にも記事にしたことがあるけど、おさらい。
もともとインディーズでは熱狂的ファンもいたらしい「たま」。1990年(平成2年)、テレビ番組いわゆる「イカ天」を経てメジャーデビュー後、テレビCMに出るわ、「さよなら人類」はヒットするわ……。一挙に「ホールツアー」を行う人たちになっていました。
おかげで同年夏頃には、ワタシのような流行に疎い者の耳にも届くようになり。
「地層」から掘り出した雑誌『ちくま』によると、昭和30年代の文学的背景が作品に散見されるとか何とかかんとか。
いろんなマスメディアに書いてあった「アコースティックで懐かしいような怖い音楽」という評に興味を持ち、好奇心からライブに1回行ったところ、その個性の強さに病みつきに。
●「たま」の魅力は、ライブ演奏のアドリブの豊かさ。
同じ曲でも毎回、絶対にどこかが違うのです。
その日の演奏ノリの違いはもちろん、前奏も、歌詞も。歌の中に演劇チックな語りあり。
それも毎回違う。アレンジなどを完全に固定したりせず、自由に遊ぶ。
その「自由」に合わせる他メンバーの呼吸もバッチリ。
要はアドリブに長けた、実力派バンドだったのです。
「たま」は元々、一人で歌も楽器も作詞作曲もしていた多芸さんの集まり。一人として「何もしていない人」がいない、濃~い集団。
メンバーの一人が脱退してしまう前、いわゆる「4たま」時代のことしか知りませんが、その頃の魅力を挙げてみましょう。(敬称略)
★石川浩司 (通称「石川さん」)
・担当:パーカッション。ボーカル、コーラス、語り。まれにオルガン、ギター。
・見た目:「たまのランニング」とあだ名される、あまりに印象的な見た目。
・役割:リズムの良さとアドリブ的合いの手でライブを勢いづける人。オルガナイザーでもある。
・作風(詞):「子どもの頃の悪夢」的シュール。反骨精神からダークな言葉をあえて選ぶ?
(楽曲):意外にアップテンポでノリノリのロックが多いかも!?
・その他:語りに破綻がない。夢(無意識)の世界をつかむ巧者。漫画家・つげ義春からの影響をよく口にされていたような気がする。
★滝本晃司 (通称「Gさん」)
・担当:ベースギター。ボーカル、コーラス。スライドする、歌うベースが特徴。
・見た目:シュッとした2枚目。一見、普通の物静かな人。
・役割:女子の目をハートにさせる?
・作風(詞):どこか恋愛っぽいんだけど、静かに淡々と狂っていく美的シュール。
(楽曲):コードが変わっているけど、とにかくどれもオシャレで美しい。
・その他:書道が上手。芸術家っぽいイメージが強かったなぁ。全員芸術家だけど。
★柳原幼一郎 (通称「ヤナちゃん」)
・担当:ピアノ、アコーディオン、オルガン、ピアニカ、ギター。ボーカル、コーラス、語り。
・見た目:よくヘアスタイルを変えてた印象。なよっとした元歌舞伎研究会の女形っぽさも人気。
・役割:アドリブ演奏やウィットに富んだ語り、妙な踊りなどで観客を乗せる。おちゃらけリーダー。
・作風(詞):メルヘン寄りシュール? 宇宙を漂うような、地に足着かない現実感なき世界。
(楽曲):洋楽ポップ調。4人の中では軽やかな方。
・その他:ボーカル表情豊か。演劇っぽい。声域も歌い方も幅広い。ボーカル曲数が圧倒的に多いが、ボツ曲も多い。多作。「虚言癖」キャラ。
★知久寿焼 (通称「知久さん」「ちっくん」)
・担当:ギター、マンドリン、ウクレレ、ブルースハープ。ボーカル、コーラス。
・見た目:おかっぱ頭と手作りのブカブカ服、「たま」二大イメージの一人。
・役割:しゃべりはのんびりしているけど、実はライブ進行をしっかり行っていた印象強し。
・作風(詞):深くて暗くてもの悲しい異形の歌が多かったような。
(楽曲):昭和風、かわいい曲が多い印象だけど、根はブルース……? ねっとり重い。
・その他:甲高い歌声が特徴。ボーカル曲多く、ボツは少ない? そういえば「遅刻」キャラでした……。怖かわいいイラストやロゴも担当。
この個性がブレンドされたコーラスワークが、また素敵で。多数ある「柳原×知久」ハモリは、鉄板。「S&G」「レノン&マッカートニー」「民&阿部」に匹敵(笑)。
四声コーラスはさすがになかった気がするけど、「三声×合いの手」はあったかな? 全員の声がまんべんなく印象的だったなぁ……。
毎回違う演奏をしているとなったら、見落とすわけにはいかないじゃないですか(笑)。
……というわけで、多分1990年終わり頃~1995年頃までハマっていたかな。
熱心に追いかけていたけど、1995年、好きだった柳原幼一郎さんが脱退。メジャーデビュー後の詩に現れた「自意識」が好みと合わなかったり、個人的に仕事が忙しくなったりしたこともあって、離れてしまいました。
彼らがただのイロモノ楽団ではなかった証拠に、彼らの音楽には感受性の柔らかい子どもたちが引き寄せられる模様。
恩師の子どもにCDを貸したら、そこから音楽に目覚め立派な音楽愛好家に成長(笑)。
馴染みの学童保育にて聞かせたら、子どもたちが目をキラキラさせてました。
「大人の事情」でメジャーで出すには難しい詩作が多いものの、老若男女の心の奥深くに届く作品を作る人たちなのです。
●独り言が長くなりました。以上が前置きです。
本題は、「『たま』のライブレポートが見つかったのでアップします!」
ホントは確か結構な勢いでライブに足を運んでいたと思うんだけど……。メモは2本分しか残っていませんでした。
どんなライブだったのか、覚え書きを整理しておこうかと。
そんな記事、ニーズは無さそうな気もしますが……最近、リアルタイムを知らない若い方々が新たにファンになっているとのこと。記憶が今以上薄れてしまう(^^;)前に、記録にしておこうと思っています♪
【関連記事】
・振り返り「たま」……当ページ
・「ホールきゃべつツアー」'91初日@川崎市教育文化会館……後日アップ予定
<参照>
※石川さんが多大なる影響を受けたとされる漫画家。上記、読みました。が、怖いし、凡人女子であるワタクシには捉えどころがわからなかった(^^;)。
※ヤナちゃんが高校時代に読んだ作家として挙げられていた方。難解だとか……。
※このアルバムかどうかはわかりませんが、知久さんが敬愛するミュージシャンの一人として挙げていた、ライ・クーダー。むかし聞きましたが素朴で素直な印象!? 「たま」のどの辺に影響したか、定かではありません……(^^;)。
※詩人・長田弘さんの名も、「たま」のメンバー(か、もしかしたら竹中労さん?)の口から上っていたような。彼ら経由で、この本を読みましたから。
……Gさんは「無口」だったためか、詳しいルーツがよく把握できず。井上陽水、吉田拓郎、筒井康隆などの名が挙げられていて、石川さんの影響でつげ義春も読んだと、以下のインタビューで答えておられました。
※ビートルズの通称『White Album』を意識した装丁だったんじゃなかったっけ?(違ったらゴメンナサイ)
「たま」の本、今パラッと眺めたら、昭和文壇史・昭和歌謡史の知識がないと、ちとツライ感じ。けど逆に、ここから「たま」のルーツを知り、さかのぼって昭和カルチャーを知ることができる、大変に貴重な内容のような気がします。
いや~、竹中さんの話についていけている当時20代の「たま」の皆さん、今見ても相当の文化人たちです。ルーツが渋いっす。
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