ビートルズ 「I'll Cry Instead」

●当方、長年「ビートルズファン」を自称。
しかし、楽曲の「全体の雰囲気」しか聴いていなかったことが判明。
好きな曲か or 嫌いな曲か、ロック or バラードの別くらいしか。

音楽的には……「誰がボーカルだ」とか、「どんな編成だ」くらいしか把握せず。
そんな「なまくら耳」で何十年ぶりくらいに小品「I'll Cry Instead」を聴いて、ぶっ飛ぶ。

フォークかカントリーが混じったっぽい、ジョンのボーカル曲。
蛇足ながら邦題は「ぼくが泣く」。民生作品の「彼が泣く」ってタイトルは、ここから来ているかと♪
……くらいしか認識していなかったのだけど……。
あらためて聴くと、ベースの弾みが尋常じゃない！


●「I'll Cry Instead」は、『A HARD DAY'S NIGHT』収録曲。ものすごく短い曲。
ベース練習のついでに聴いていたので、一緒に弾いてみる。

　ウギャッ！

マッカートニー先生、ついて行けません（汗）。

単純な音階を拾うだけなら、そう難しい音は弾いていない。
けどこの曲は「音符どおり」弾いていても再現できず。
いい意味で、ポールの右手が激しくチャカついていることに、
ファンになってから三十年（！）経って、ようよう気づいた次第。

一番わかりやすいのが、２回目のAメロの後半で
「ド、♭シ、ソ、ファ／レ、ド、♭シ、ソ」と音階が下降していくところ。
ただ四分音符でスタッカート気味に弾くだけでは、原曲どおりにならない。
何ですか、余計な音がたくさん入っています。
「レ」なんか、二つ鳴っている。けどこれを八分音符で二つ弾いても、まだ違う。

ポール・マッカートニー御大のベースの難しいところは、
以前も書いたように全然整然としていないところ。
なぜ整然としないかというと、裏ピックで引っかけたような音がたくさん入るから。
「And Your Bird Can Sing」然り、「Everybody's Got...猿」（誰か邦題をつけて～ ^^; ）然り、
右手が自由奔放に動き回るがために生じる（っていうか生じさせている）
「引っかけ音」が非常に多く、しかもそれが
曲のノリを感じさせる重要なポイントになっているような。
音が踊るんだよねぇ～。

だから、ピックを使わずに弾いていると、この曲のようなベースは再現できない。
上手なら指弾きでも再現できるのかもしれませんが……（^^;）。
ピックでこのノリを再現できるようになりたく、久し振りにピック練習再開しました。
しかし、ピックで弾くとなると、これまで右手親指でミュートしていた４弦を
左手親指でミュートしなければならないことに気がつき。
手が小さいので、左手親指をネックの上から出すとアップアップになる模様。
ネックはできるだけ細い方がいいような
　→　宝くじが５億円当たったら、是非カールヘフナーが欲しいと思った次第。


●余談ながら、ポール御大は繰り返しを嫌う。
この曲のベースでも、「ド、♭シ、ソ、ファ／レ、ド、♭シ、ソ」は２回出てくるけど、
２回とも「レ」が弾んだりしておるわけではありませぬ。

この「繰り返さない」を、民生さんが踏襲している気がするんですよね～。
ギターには疎いので楽器演奏上はどうかわからないけど、
詞作においては明らかに、「似て非なる」言葉で繰り返しを避けるよね。
結果、ファンにとっては覚えにくい歌詞になってる気が（^^;）。
よほど練習しないと「１回目と２回目」などの歌詞がゴッチャに混じってしまい、
大合唱がしづらい箇所が多いように感じてしまうのですが（^^;）。

個人的感想ながら、そういう「繰り返さない、似て非なるフレーズ」を聴くたびに、
「あ、民生さんっぽい」「あ、ビートルズっぽい」と思ってしまうのでした（^^）。


●蛇足ながら、最近のベースコピー練習で注意していること。
以前は、「音階が正しければ、まあいいか」くらいにしか思っていなかった。
ハイポジションだろうがローポジションだろうが、音が合ってればいいや、と。

しかし……あれですね、ポジションが違うとノリまで変わっちまいますね。

ポール御大のベースの場合、例えば「Tell Me Why」だと
「ミ」音が普通に鳴っているときと「ブィン」とスライドして鳴っているときがある。
多分、２弦２フレットの「ミ」と３弦７フレットの「ミ」の違いではなかろうか？
……と弾き比べてみると、音の動きがそれらしくなるような（ならないような）。

これはポール御大に限らず。
EBIくんベースでも「ポジションでノリが変わる」ポイント、発見。
どんなベースであれ、ポジションまでちゃんとコピーしないと
曲のリズムが再現できないことに、今さらながら気がついたのでございます（^^;）。

詳しくは別記事で、グダグダ述べてみようかと思います♪