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「直接言わずに伝える」表現方法について [★日々雑感]

●個人的な感覚についての話。ワタクシは「ハッキリ言いすぎない」作品が好き。
なんのこっちゃ(^^;)。以下に例を挙げましょう。

ビートルズに「The Word」という歌がある。
タイトルを直訳すれば、「その言葉」。
「その言葉」の正体は「love」なんだけど、そこに至るまでナゾナゾ風が3行。

「その言葉を言って、自由になっちゃえよ」
「その言葉を言って、僕(ジョン・レノン)みたいになっちゃえよ」
「僕が考えているその言葉、言ってみなよ」

 → その言葉って、なぁんだ?
 → 答え:「聞いたことない? 『love』って言葉」

みたいな感じ。
その上から3行の遠回しなナゾナゾみたいな表現が、
歌の中で9回くらい、「love」って言葉を使わずに「その状況」を遠回しに表現。
本質が何であるか、考えているし考えさせられる。

もう一つ例を挙げると、前に記事にした、「11人もいる!」
「絆」という言葉を声高に言わずに、絆を表現していたところ、ね。


●そーゆー辺りが好きなのを、いつか記事にしたいな……と思っていたら、
本日の朝刊で天野祐吉さんに先を越されてしまいました(^^)。
天野さんは、今年のお好きなCM(?)として「JRの九州新幹線」
「サントリーの『上を向いて歩こう』ほかのソングリレー」「ソフトバンクのお父さん」を挙げたうえ、
以下のようにおっしゃる。
-------------------------------------
共通しているのは絆なんて言わずに絆の大切さを表現しているところだ。
-------------------------------------
(2011/12/21、朝日新聞朝刊オピニオン面「CM天気図」より引用)

多分、「愛」とか「絆」とかって直接言わずしてそれに関する作品をつくるのって、
直接言っちゃうより数段、ものを考えて練って作り上げられていると思うのね。

例えばドラマの1シーンだったとしたら、
登場人物がカンタンに「愛してる!」なんて言っちゃうシーンより
視線やら行動やらでそのことを示しているシーンの方が、
表現としては面白い……と感じる。
寅さんシリーズなんかも、そうかな。寅さんはマドンナに「愛してる」なんてハッキリ言わないけど、もう誰がどう見ても好きになってたりする。寅さんを迎える「とらや」の家族たちも、口ではケンカしているけど「ああ、ホントは寅さんのことを心配してるんだな。寅さんを愛しているんだな」って。
そういう、行間からいろいろ汲み取れる作品が個人的に好きなのですが……。


●当然ながら、人によって感じ方は違うものですね。
さっきテレビ朝日系の深夜番組「マツコ&有吉の怒り新党」を見ていたら、
マツコさんは「見ている方に解釈を委ねる映画」、
有吉さんは「結末がハッキリ与えられている映画」が好きだ、って議論(?)が。

ワタクシとしてはマツコさんに1票。
でもマツコさんが号泣したという『ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]』でもまだ、
ワタクシは「ラスト、描きすぎ」と思う方で……(^^;)。

……なんか話が相当それてしまった。
個人的に「愛」とか「絆」とか、目に見えなくて存在が曖昧なものを
「在ることが前提」のモノの名前であるかのように軽々しく使われた表現は、
あまり好みではない……ということが述べたかったのですよ。

本当は、ビートルズの「The Word」と民生さんのつくる歌詞について
あーだこーだ考えて見たかったんです。
民生さんはソロデビューこそ「愛のために/愛する人よ」で
「愛」づくしだったけど、以後どんどん輪郭がボヤケた、 でもある種の感情をキチンと表現なさった歌詞になっていません?
そこがまた「好きだな~」と。
そんな話をしたかったのだけど、ここ1週間内外でその辺を考えさせられる話題が
さっきまでにドーッと出てきたので、一緒くたに放り込んでしまった次第(^^;)。


オチなきままに、言いたいことだけ言って終わります。<m(_ _)m>

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