ユニコーンのグルーブ考 <ドラム以外のメンバー編> [ ・ユニコーン関連]
●前回から、たいそうなタイトルをつけて書き始めてみたものの、実はよくわかっておらず。
「グルーブ」を生み出す要素は、各楽器の拍のタイミングのズレやら
その拍の間隔が均等でないことやら、拍の強弱から音色、走るかどうかまで、
実に複雑である、とNHK教育『scola 坂本龍一 音楽の学校』が教えてくれたのですが。
例えば一つの八分音符の長さを12等分して、そのそれぞれの間隔が
14対10にズレたとき、「ハイサイおじさん」の跳ねるグルーブが生まれる……みたいなことは、
YMOのような頭脳と機材を持っていない一介のシロウトには聞き分けができません(^^;)。
そこで、とりあえず私にもわかる「ユニコーンの拍のタイミング」だけについて以下にメモ。
ユニコーン各メンバーのリズム・ノリを意識しながら、
2009年の「蘇える勤労」ツアーDVDを聞いてみました。
いつも小ネタにニヤッとしながら全体を漠然と聞くだけだったので、
こんな風に各楽器に注目して聞くのは、初めて。
バンドの音って、「せーの」で揃っている。
けど機械ではないので、0.00…何秒ぐらい、各人のクセによるズレがある。
そーゆーことが、何となく実感できた気がします。
※CDでも比較できるとは思うんだけど、CDってお行儀良く整えた音、「せーのっ!」で録った音じゃないことが多いでしょ? なんならリズムを機械に合わせて……みたいなこともあるんでしょ? だからライブバージョンの方がクセやグルーブはわかりやすいんじゃないかと……。わかりませんけど。
●さて本題、ユニコーンメンバーの拍のタイミングについて。
あくまでも「誰に比べると、誰は先に出る」みたいな相対的な話になるのですが。
まず、一番わかりやすいのは、EBIさん。
シロウトの私でもわかるくらい、前ノメリなタイミング。
上図でいうと縦線よりだいぶ左寄り、つまり大げさに言うなら
常にバンド全体より若干早めに拍を打っているような印象、です。早め。
以前も書いたけど、「ボルボレロ」のCDバージョン(EBIさんがベース)と
DVDバージョン(民生さんがベース)を聞き比べると、
特にAメロのフレーズでEBIさんの前ノメリ具合が歴然。
このことから、あくまでもユニコーン内において、EBIさん(ベース)は前ノメリ気味、
民生さんはEBIさんに比べると若干後ろ寄りに聞こえる、ということが言えます。
拍を打つタイミングが早い順に、
「EBI > 民生」、かな?
余談ながらEBIさんベース、間隔が均等でムラなくキレイに粒が揃っている気がします。
拍が後ろに寄り気味のシロウトにとって、音拾いはソコソコできても
ノリの再現や粒の揃え方が全然できない、難しいベースです(^^;)。
ユニコーンではEBIくん一人のパート(「おかしな二人」ソロ、「Black Tiger」前奏など)以外で
EBIくんベースが「走っている」ようには感じません。単に「前ノメリ気味」なだけ。
が、3ピースの別バンドでのベースを聞くと……思いっきり走っている気がします。
この「前ノメリ」タイミングと「走る」は別物だと思うので、後日……。
●続いてテッシー(以下、図は省略)。
テッシーのリズムギターだけに絞って聞いていると、拍のタイミングは
わずかに前寄りに感じられます。(誰と比べてだろう?? ドラムかな? それとも全体?)
でもEBIくんほど前ノメっては、いない。
「わずかに前寄り」なリズムが非常に正確で、
ものすごく心地よいタイミングで拍を刻んでいる気がします。
ライブ映像での「ボルボレロ」前半のマラカスが、一番わかりやすいかも(笑)。
「EBI > テッシー > 民生」かな?
以前、テッシーのリズムギターに心奪われた理由、わかった気が。
澄んだ音色もさることながら、正確で小気味よくて、完全に後ろ寄りのワタクシの憧れる刻み(^^)。
●民生さんの音は既に書いたとおり、何となく後ろ寄り気味に聞こえます。
前述のようにドラムとベースに限って「わずかに後ろ寄り」なクセが?
いい意味で「粘り」があるような。いい意味って何よ?(笑)
ただしEBIさんベース&川西さんドラムよりは……という相対的な感覚であり、
ボーカルやギターの時、他のミュージシャンとのセッション時には
後ろ寄りとは感じられないので、もうごく微妙な話なのでしょう。
これが民生さんの重要な個性の一つ=ソロ作品の「ゆったり感」の要、かも?
解散前のアルバム『SPRINGMAN』録音途中に、ドラムの川西さんが脱退。
その後民生さんが「ドラムを叩けるのに、代わりには叩かなかった」理由が、
なんとなく実感できたような気がします……。
ユニコーン作品と民生さん一人録音作品(「愛する人よ」やひとりカンタビレ作品群など)とを
比べると、ノリが全然別物だものね。
【追記】 CD以外のバージョンをあんまりたくさん聞いていないので口幅ったいのですが、民生さんって「もったりしない程度のゆったりリズム」の方かと思ってたら……。先日、解散直前「4946ツアー」のWOWOW生放送ライブ映像を見てたら、テッシー作「裸の王様」で民生さんがEBIくんより走ってた! 驚くほど速く!(笑)
ビデオ『MOVIE5 UNICORN TOUR 1993 “4946” [DVD]』ではビックリするほどではなかったので、「グルーブは、曲によって&ライブによって多少の変動がある」ということなのですね。人間は機械と違うので、当たり前のことではありますけど。
●さて。難しいのが阿部Bさん。キーボード音は打点(?)がハッキリしないから。
でも何となく、この方はユニコーンのノリの「ど真ん中」にいる気がします。
タイミングの早い人と遅い人の隙間を埋めるがごとく!?
「タイミング早めに音が出る」ことも「後ろ寄りで音が重ためになる」こともなく。
実に重要な位置にいらっしゃるのでは??
「ボルボレロ」、「素浪人」、「WAO!」のギターを聞くと、テッシーよりは後ろめ? と感じるけど。
阿部さん、ギターは本職でないゆえ、判断が難しい……(^^;)。
むりやりポジションを明示するなら、
「EBI > テッシー ≧ 阿部 > 民生」
みたいに聞こえる気がします。
●ユニコーンの、上物(うわもの=ドラム以外の楽器)のタイミングは、だいたいこんな感じ?
・EBIくんは常に先頭で突っ走っている(笑)
・テッシーと阿部さんが、芯になっている?
・民生さんは、そのうえにゆったり伸びやかに乗っている?
問題は、川西さんのドラム。
「ドラムのグルーブ」の捉え方、難しくって。
次回、考えてみま~す♪
「グルーブ」を生み出す要素は、各楽器の拍のタイミングのズレやら
その拍の間隔が均等でないことやら、拍の強弱から音色、走るかどうかまで、
実に複雑である、とNHK教育『scola 坂本龍一 音楽の学校』が教えてくれたのですが。
例えば一つの八分音符の長さを12等分して、そのそれぞれの間隔が
14対10にズレたとき、「ハイサイおじさん」の跳ねるグルーブが生まれる……みたいなことは、
YMOのような頭脳と機材を持っていない一介のシロウトには聞き分けができません(^^;)。
そこで、とりあえず私にもわかる「ユニコーンの拍のタイミング」だけについて以下にメモ。
ユニコーン各メンバーのリズム・ノリを意識しながら、
2009年の「蘇える勤労」ツアーDVDを聞いてみました。
いつも小ネタにニヤッとしながら全体を漠然と聞くだけだったので、
こんな風に各楽器に注目して聞くのは、初めて。
MOVIE12/UNICORN TOUR 2009 蘇える勤労 [DVD]
- 出版社/メーカー: KRE
- メディア: DVD
けど機械ではないので、0.00…何秒ぐらい、各人のクセによるズレがある。
そーゆーことが、何となく実感できた気がします。
※CDでも比較できるとは思うんだけど、CDってお行儀良く整えた音、「せーのっ!」で録った音じゃないことが多いでしょ? なんならリズムを機械に合わせて……みたいなこともあるんでしょ? だからライブバージョンの方がクセやグルーブはわかりやすいんじゃないかと……。わかりませんけど。
●さて本題、ユニコーンメンバーの拍のタイミングについて。
あくまでも「誰に比べると、誰は先に出る」みたいな相対的な話になるのですが。
まず、一番わかりやすいのは、EBIさん。
シロウトの私でもわかるくらい、前ノメリなタイミング。
上図でいうと縦線よりだいぶ左寄り、つまり大げさに言うなら
常にバンド全体より若干早めに拍を打っているような印象、です。早め。
以前も書いたけど、「ボルボレロ」のCDバージョン(EBIさんがベース)と
DVDバージョン(民生さんがベース)を聞き比べると、
特にAメロのフレーズでEBIさんの前ノメリ具合が歴然。
このことから、あくまでもユニコーン内において、EBIさん(ベース)は前ノメリ気味、
民生さんはEBIさんに比べると若干後ろ寄りに聞こえる、ということが言えます。
拍を打つタイミングが早い順に、
「EBI > 民生」、かな?
余談ながらEBIさんベース、間隔が均等でムラなくキレイに粒が揃っている気がします。
拍が後ろに寄り気味のシロウトにとって、音拾いはソコソコできても
ノリの再現や粒の揃え方が全然できない、難しいベースです(^^;)。
ユニコーンではEBIくん一人のパート(「おかしな二人」ソロ、「Black Tiger」前奏など)以外で
EBIくんベースが「走っている」ようには感じません。単に「前ノメリ気味」なだけ。
が、3ピースの別バンドでのベースを聞くと……思いっきり走っている気がします。
この「前ノメリ」タイミングと「走る」は別物だと思うので、後日……。
●続いてテッシー(以下、図は省略)。
テッシーのリズムギターだけに絞って聞いていると、拍のタイミングは
わずかに前寄りに感じられます。(誰と比べてだろう?? ドラムかな? それとも全体?)
でもEBIくんほど前ノメっては、いない。
「わずかに前寄り」なリズムが非常に正確で、
ものすごく心地よいタイミングで拍を刻んでいる気がします。
ライブ映像での「ボルボレロ」前半のマラカスが、一番わかりやすいかも(笑)。
「EBI > テッシー > 民生」かな?
以前、テッシーのリズムギターに心奪われた理由、わかった気が。
澄んだ音色もさることながら、正確で小気味よくて、完全に後ろ寄りのワタクシの憧れる刻み(^^)。
●民生さんの音は既に書いたとおり、何となく後ろ寄り気味に聞こえます。
前述のようにドラムとベースに限って「わずかに後ろ寄り」なクセが?
いい意味で「粘り」があるような。いい意味って何よ?(笑)
ただしEBIさんベース&川西さんドラムよりは……という相対的な感覚であり、
ボーカルやギターの時、他のミュージシャンとのセッション時には
後ろ寄りとは感じられないので、もうごく微妙な話なのでしょう。
これが民生さんの重要な個性の一つ=ソロ作品の「ゆったり感」の要、かも?
解散前のアルバム『SPRINGMAN』録音途中に、ドラムの川西さんが脱退。
その後民生さんが「ドラムを叩けるのに、代わりには叩かなかった」理由が、
なんとなく実感できたような気がします……。
ユニコーン作品と民生さん一人録音作品(「愛する人よ」やひとりカンタビレ作品群など)とを
比べると、ノリが全然別物だものね。
【追記】 CD以外のバージョンをあんまりたくさん聞いていないので口幅ったいのですが、民生さんって「もったりしない程度のゆったりリズム」の方かと思ってたら……。先日、解散直前「4946ツアー」のWOWOW生放送ライブ映像を見てたら、テッシー作「裸の王様」で民生さんがEBIくんより走ってた! 驚くほど速く!(笑)
ビデオ『MOVIE5 UNICORN TOUR 1993 “4946” [DVD]』ではビックリするほどではなかったので、「グルーブは、曲によって&ライブによって多少の変動がある」ということなのですね。人間は機械と違うので、当たり前のことではありますけど。
●さて。難しいのが阿部Bさん。キーボード音は打点(?)がハッキリしないから。
でも何となく、この方はユニコーンのノリの「ど真ん中」にいる気がします。
タイミングの早い人と遅い人の隙間を埋めるがごとく!?
「タイミング早めに音が出る」ことも「後ろ寄りで音が重ためになる」こともなく。
実に重要な位置にいらっしゃるのでは??
「ボルボレロ」、「素浪人」、「WAO!」のギターを聞くと、テッシーよりは後ろめ? と感じるけど。
阿部さん、ギターは本職でないゆえ、判断が難しい……(^^;)。
むりやりポジションを明示するなら、
「EBI > テッシー ≧ 阿部 > 民生」
みたいに聞こえる気がします。
●ユニコーンの、上物(うわもの=ドラム以外の楽器)のタイミングは、だいたいこんな感じ?
・EBIくんは常に先頭で突っ走っている(笑)
・テッシーと阿部さんが、芯になっている?
・民生さんは、そのうえにゆったり伸びやかに乗っている?
問題は、川西さんのドラム。
「ドラムのグルーブ」の捉え方、難しくって。
次回、考えてみま~す♪
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