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ユニコーン「ソロインタビュー」の感想 [ ・ユニコーン関連]

※基本的には「音楽ナタリー」https://natalie.mu/music/pp/unicorn02の「ソロインタビュー」感想文、なんだけど。ただ引用しただけでは著作権法に違反(笑)するんで、ムダな私見 インタビュー引用文が主とならないよう、地の文をダラダラと並記してあります。ご了承くださいませ(^^;)。


●年を重ねたせいか、好きなミュージシャンに関する情報をそんなに検索しなくなってきたぞ!?(^^;) という今日この頃。

でも、若いお友だちたちがいろんな情報を教えてくれるので、それを「 (*´艸`) 」と楽しんでおります(笑)。

今回教えてもらったのは、なんとユニコーンの最新個別インタビュー! 

・「音楽ナタリー」https://natalie.mu/music/pp/unicorn02

5人全員一斉のインタビューではなく個別だと、それぞれのユニコーン観の違いが垣間見えて、それはそれで大変興味深いものに。

ユニコーン5人揃ってのインタビューだと、全員がワイワイガヤガヤ自由にしゃべり出しちゃって、文字起こしも編集も至難の業になるから個別にしているんですねわかります ← ウソよ(笑)。なぜ個別になったのか、根拠は知りません。ただ、編集の末端を知る者としては、テレビやラジオなどでのおしゃべり具合を見聞きしていて「これだけ同時にしゃべられたら文字起こし担当者は泣くよね~(^^;)」とは思ってました(笑)。

で。

今回はその「個別」を並べてみたら、意外な核が見えてきたなぁ……というお話。



●個別インタビューより、個人的に気になった箇所を要約抜粋。(生年順、敬称略、以下同様)

<『UC100W』、アルバム全体について>
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川西:「今回むしろ、デザイナーさんとかスタッフのほうが大変だったと思いますおぉー、オトナの気遣い! (アルバムの楽曲は)いろんなアプローチができている

手島:「「UC100V」は、わりと真面目なバンドっぽい感じ」「(今回は)エモーションとインテリジェンスを併せ持つタイプの楽曲」と「思いきり娯楽性に振り切った楽曲」の「両方入ってる

奥田:「楽器のパートをシャッフルするのは(中略)ライブでの見え方(を意識してのこと)が大きい

EBI:「いまだに「こういう楽曲を書こう」とか考えられない」「(アルバムは)バンドとしての総合力や一体感と、メンバー5人それぞれの個性がどちらも際立ってる ← うん、それ聴き手としても感じた!

ABEDON:「一気に制作したので」「タイトに仕上がった」「今回のアルバムは、ひさびさに「シャンブル」に近い手触りがあり」「メンバー全員の熱量が凝縮されるようなスケジュールをあえて組んでいった」ので「それが作品としての勢いにつながった ← キーワードは、やっぱ「熱量」!
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この辺りは、「うん、うん」とうなずきながら読みました♪



<同、個別の楽曲ついて>
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川西:「(「4EAE」は)男女をイメージした詞にしてますけど、もしかしたら演者である僕らとお客さんの関係も同じかも」「(「BLUES」は)特に注文はなかったけれど、たぶんこれは還暦になる決意とか、そういうものを書けってことかなと(中略、デモを聴いて)「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」を思い出した

手島:「(「That's Life」では)最初のテイクではもう少し上手に歌おうとしてた(中略)ら民生が「歌い直してよ」って

奥田:「「UC100V」ではわりと静かな曲を持っていったので。今回はもうちょっと元気めな曲を書こうかなと」「(「チラーRhythm」は)集団の強みというか、メンバーの数にものを言わせたというか。少なくともソロだとこういう曲は作れない

EBI:「(青いプレベを絶賛する歌にその楽器が使われていない理由は)サブのベースにはフラットワウンド(巻き線が平たいタイプ)弦が張ってあって。(中略)弾き比べたらフラットのほうがよかった

ABEDON:「「4EAE」は最初はめっちゃ恥ずかしかった」「(「D-D-D-,Z-Z-Z-」は)仮歌を入れるとき(中略)コードを口ずさんでた(中略)。Dのコードに変わった箇所では「D-D-D-」……」
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あっ、「D-D-D-,Z-Z-Z-」は確かに、七拍子の箇所のコードが「DDDDD……GGGGG……AAAAA……」だわ! 仮歌では「エーエーエエー……」もあった……ことになりますね(笑)。



<ユニコーン内での自分の役割>
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川西:「メンバーが楽器を演奏してるだけじゃない(中略)それぞれにそれ以上の役割がある」「(自分のユニコーンでの役割は)自由奔放に生きる規範

手島:「お笑い担当Σ(゚д゚;)))! 「(自分の好きなダウンタウンは)師匠に祭り上げられるんじゃなくて、現役感バリバリ」で「イジられるところがすごい……つまりいじられ役ってこと?(^^;)

奥田:「スタジオへの出前を選ぶ担当 ← まずは一旦、マジメな回答を避けましたね!?ww なるべくスムーズに録音を進めるためのアイデアとか手順は常に考えてます」「誰か1人が引っ張っていくんじゃなく、きっちり5等分の役割分担が自然にできている。楽器のパートとはまた別にね

EBI:「ほとんど自己主張しないことが自分の役割(中略)自分は流れに乗っかってる(笑)」「自己主張が希薄なお任せ人間

ABEDON:(インタビュアー:俯瞰的な視点を持ったプロデューサー的な側面がある?)それはある」「そういう役回り、自分でもわりと嫌いじゃない
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川西さんと民生さんの見解が「楽器担当以上の担当がある」ってことで一致しており、興味深く。私たちには「MOVIE」で見ている以上にはわからないことなんだけど。つまり「同じ楽器を弾ける、メンバーとは別のミュージシャン」では替えの利かない、何らかの役割が、それぞれにあるんですね。そういえば、関ジャムで即興曲を作ってたとき、ものすごい素早さの分業とチームワークを見たっけ。誰一人として「参加していない人」はいなかったよね!

ご本人がたのご自覚的には、
・川西さん……「自由奔放に生きる規範」担当ww
・テッシー……「いじられ」担当!?
・民生さん……「スムーズな録音手順考え」担当!?
・EBIさん……「自己主張しない」担当(*´艸`)
・ABEDON……「プロデューサー的」担当
ってことでよろしいですか?(笑)

ワタクシ的には、音楽的にユニコーンの皆さんは
・川西さん……「ブルージー」担当 ←音楽的にと言うより生き方が!?(笑)
・テッシー……「ストレート」担当
・民生さん……「人と違うオールマイティー」担当
・EBIさん……「ロマンチック」担当
・ABEDON……「クラシカル美」担当
……だなぁ。

ABEDONの「クラシカル美」には説明がいるね。ライブなんかではトコトンはじけてパフォーマーぶりを発揮する彼ですが、ここんとこ作るフレーズがことごとく「美しいなぁ~!」と思うの。それも正統派感のある、キチンとした美しさ。どこがって説明はうまくできないんだけど……ロックなのに前衛的なのに、「美」なんだなあ。のきを( *´艸`)



<バンド全体に関する意外なエピソード>
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川西:「アンサンブルがシンプルにできているテッシーの曲から手を付けることが多いそーゆー理由からだったんすかー! 道理でシロウトのセッション会でも、テッシー曲がわりと好んで演奏されがちなわけだ。ほかの作品は難しすぎて、手を出しにくい(笑)。 「EBIくんとテッシーの曲はレコーディングに入ってからも楽(中略)打ち込みでリズムを入れてくるから、それを僕なりに解釈して叩けばいい。だけどABEDONと民生のドラムは、独自のグルーヴがすでにしっかりあるので(中略)その信号をある程度受け止めたうえで、当然デモを超えなきゃいけない。これはけっこう大変

手島:「スタジオだけ与えておけば、ああだこうだとしゃべりながら、もっとすごい数(の作品)が生まれると思う

奥田:「(100周年などの)自分たちを奮い立たせてくれる理由を探しつつ、今後もやっていく
この5人でやると、違うタッチのアレンジを試そうとしても今ひとつやりきれない、行ききらない部分が出てくる。5人共そこまでは器用じゃない

EBI:(インタビュアー:EBIさんのハイトーンボイスが、バンドの持ち味になっている)キーはそんなに高くないんだけど、声質的にそう聞こえるみたい(中略)最近やっと気付きました(笑)解散前に既にあれだけ「犬声」をやらされてたのに……(笑)。奥田さんは何をやっても「いいなあ」と思える(中略)スポーツでも(中略)ものすごくうまいわけでもない」けど「(中略)形ができていて。きれい……むかし草野球チームを組んでいたときの話ですかね? EBIさんはほら、野球部だった(けど坊主がいやで辞めた)方ですし、野球少年から見た民生さん評ってことかと。音楽だろうがスポーツだろうが、なんでも「やったら何となく上手くできちゃう人」なんでしょうね、基本的に……という感触がそこはかとなく。

ABEDON:「(楽器パートのシャッフル)をできるのはウチの(バンドの)ポイント
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なんか、ユニコーンさんからこうした「手の内」をうかがうのは珍しいんではないかしら? と思いつつ。


ここでは、とくに民生さんの「この5人でやると、違うタッチのアレンジを試そうとしても今ひとつやりきれない」以下の発言に注目したく。

器用じゃない」!? いやいや。5人でパートシャッフルまで出来てるのに!? って一瞬思う。曲調だって、これまでハードロック・ヘビメタ・ディスコ・レゲエ(「おかしな雪が降レゲエ街」だっけ?w)・ビートルズ風・オアシス風?・今回の前衛的なジャンル不明音楽・その他モロモロ、何だってやっちゃっている……ハタから見れば「器用なバンド」でしょ?

でも、民生さんがおっしゃることも、今回はなんかちょっとわかる気がする。

『UC100W』では、ユニコーンなりの最大限の振り幅で、「いつもと違うことやったなぁ!」とは感じるんだけど。

いろんな捉え方があるだろうけど、個人的にはかねてから気になっていたコード使いに注目。というのも、ユニコーンのコード使いには意外にクセがあって。というか、「クセがない」というクセがあるというか(≧∀≦)。

例えばユニコーンは、「7th」(セブンス)コードをあんまり使わないような? 実は個人的には解散前の作品から、そう感じていて。

「7th」コードとは、例えば「ドミソ」に「♭シ」を足したような形のコードのこと。このようにオマケがついた和音は一般的にテンションコードと呼ばれます。「ドミソ」がクリーンな響きなのに対し、ちょっと濁った響き。「ドミソ♭シ」である「7th」は、音楽家・宮川彬さんいわく「ちょっと不良(ワル)っぽい」響き。使うと簡単に「ブルースっぽく」濁ったロックやブルース感が出ます♪

私は濁りラブなんで、ユニコーンを聴いてて「ここは、もっとブルージーに(7th多用で)ツッコんでほしい……」なんて思わないでもなく。だから「実はユニコーンのメンバーって、ブルージーな濁りコードが(民生さん以外は)あんまり好きじゃないんじゃないか?」などと長年ヒソカに憶測を(笑)。いや、確たる根拠はないですが(^^;)。でも安易に「7th」を多用すると、私のようなシロウトでさえ簡単に「先が読める」曲調になってつまらなくなるのも、また事実。それにユニコーンは「7th」以外の「add9」やら「sus4」みたいなテンションコードやら、クリーンなコードばかり使ったヘンテコリンなコード進行やら、そういうことはジャンジャンやっておられます♪ ただ、「7th」使いは少なめかなぁ……? と。

例えば今アルバムでいうと、ブルースを名乗っている「BLUES」や初期ビートルズ風の「7th Ave.」って曲。民生ソロだったら前者はもっと徹底的に「7th」コードまみれに、後者はビートルズまみれになる(笑)よなぁ……ユニコーンだと控えめなアレンジだな……と。
※紛らわしいんだけど、「7th Ave.」の「7th」は、「7th」コードとは直接関係なし(多分)。テッシーがテレビ出演時にかぶっていたキャップのロゴ「7」をいじったタイトルらしく、「7th」コードは(多分)3個しか使われてなかったので横に置いておいて(笑)。

例)
徹底的に「7th」まみれ……かと思ったら、意外や「6th」がメインだった(笑)「サケとブルース」収録アルバム(民生ソロ)。同曲、テンションコード以外は使用していないんじゃないか!? と思うくらいの濁りっぷりw

サボテンミュージアム

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  • 出版社/メーカー: ラーメンカレーミュージックレコード
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まとまらないけど……(^_^;)。民生さん発言に戻ると、ユニコーンは、あんまり「7th」コードを使わない以上、少なくとも「本場のブルースそのもの」を演奏することはないと言え。「っぽい」アレンジをすることはあっても、ね。そこを「行ききらない」と言えばそうかもね? と言えなくもないかなと(歯切れ悪しw)。

ユニコーン作品は「7th」コードの使用は少なめかもしれない。けど、逆にユニコーンは「7th」コードなんか多用しなくても、十分カッコいいロック作品はできる! ことを体現し、証明しているバンドであるとも言え。今回の「BLUES」なんか、ブルースコードと言われる「7th」をまったく使わずしてブルースをやってますし(笑)(「MOVIE37」を見るに、民生さんのデモ……「川西のブルース」では「7th」コードもチラーと聞こえるんですが……)。そうか、そういう定石外しの遊びをした、ともとれますね(^^)。

あんなに器用に見えるユニコーンなのに、でも「行ききらない部分」みたいなのがあるんですなぁ……。今回、最も「ほぇ~」と思ったお話、でした☆

次へ行こう。



<「なぜ、ユニコーンはこんなに楽しいんだと思いますか?」という問いへの答え>
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川西:「みんないい加減じゃないから」「だからこそ力が抜けないし、一緒にいると疲れる

手島:「ユニコーンでいるときは常に最高に楽しい(中略)それがデフォルト」「好きなことをがんばってやる

奥田:「1人だけ静かにしていられない空気がある」「調子のいいメンバーが1人いると、自然とそっちにチューニングが合っていく」「ユニコーンにしがみつくことが正しいとは、5人の誰も思っていない。だからやってて楽しい

EBI:「どんどん形を変えて、完成されない」「ドキドキとワクワクをずっと感じていられる場」「いい意味で先行きが見えない面白さ

ABEDON:「楽なバンドじゃない」「無理やりでも楽しくしないと続かない
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川西さんは「いい加減じゃない」から「手が抜けない」と言うし、テッシーは「がんばって」るし。ABEDONさんなんか、「楽しくないと続かない」って……。民生さんはなんかつられてテンションが上がってるっぽい(笑)こと言って、EBIさんは常に新鮮みを感じられることが楽しいっぽいけど。個人差がありそう、ですね?

ホント、ライブやらテレビやらで垣間見える発言「だけ」を見ると、もんのすごく楽しいことを楽しくやっている人たち……にしか見えない(笑)んだけど。

それらは川西さんが同インタビューの別の箇所で「傍目にはユルそうに見えるでしょう。だけど、そのユルさを出すのが実は難しい」とおっしゃっているように、「ユルそう」に見せる自己プロデュースが成功した結果、でしかなく。

ホントは、ユニコーンってバンドは、実はかなりストイックな集団よね。妥協しないって証言を、月カド辺りのインタビューで読んだ気がする(詳細失念)。

今回だって「数字縛りで」と言われたら数字、「アルファベット縛り」となったらそれを、ムリムリでもタイトルに付ける。「できない(^_^;)」とか言って中途半端に逃げるようなメンバーはいない(笑)。

「じゃあ、お前今回は作曲者の担当楽器を全部代わりに演奏な」となったら、有言実行で全部ライブで披露できるレベルで達成したり。

だいたいが、全員50代を越えて一人は還暦を迎えたというのに、過去の人気曲やなんかでお茶を濁すようなことをせず、新曲を出し続けている。想像以上にものすごく大変なことにチャレンジし続けている……バンドですよ。

ある程度、名が売れて曲が売れたからといって、「だいたいこんな感じでやっておけば『ユニコーンらしい』でしょ?」みたいな妥協はしない。「新しいことにチャレンジすること」自体が「ユニコーンらしい」と思っているかのような団体ですよ(笑)。

でも、それは顔には出さない。さもふざけているかのような音やパフォーマンスのみを、表に出す。……それが、今回の「個別インタビュー」では、その内幕も見せてくれた感じがするのです。

ああ……川西語録の「大人とは楽である」=「ラクでなくても、楽なようにしていないと」(「オトナに!トーク #2」より)や、座右の銘「おもしろきこともなき世をおもしろく」(高杉晋作関連の句)に通じるね! 

表では音で面白く遊んでいるクレイジーキャッツみたいなバンド。でも裏では半ば体育会系の「縛り」を自らに課して、絶えず新しいことにチャレンジしては達成しているバンド。それがユニコーンなのですね。



●話がアッチャコッチャしましたが。

最後に取り上げておきたいのは、民生さんの発言「調子のいいメンバーが1人いると、自然とそっちにチューニングが合っていく」。

これテレビ出演、とくにフリーなトークなんかの時に、ものすごく感じてました。

例えばMステ(ミュージックステーション)なんかで、「ユニコーン、よろしくお願いします」とか何とか言われてアップで映っている時。だれか一人がふざけだしたら、他の4人もすぐに反応してピッタリ息の合った5人によるおふざけになるww 

全員が行動を揃える。その反射神経のすばやさ(?)・アンテナの敏感さに、個人的に驚いてました。誰一人としてボーッとしていない(^^;)。

その「自然と」「チューニングが合っていく」ことこそが、ユニコーンの強みというか核というか。

パフォーマンス部分で、この方々は「いざとなったらすぐに息が合う」集団なんだね……と、常々思っておりました。それがアルバム作りでも同じだったんだな(笑)。だいたい、稀にライブに行くとしみじみ感動するんだけど、演奏でも息がピッタリあっているものね、たとえどんなトラブルがあっても(笑)。(リンク先はネタバレ)


そんなバンドの秘密(!?)を語ってくれた、貴重な個別インタビュー、でした♪






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