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『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』 [ ・クドカン世界&『あまちゃん』]

●2011年12月26日深夜(翌27日未明)、新聞のテレビ欄に、ふと目がとまった。

「<映>木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」と書いてあったので。

これまた宮藤官九郎(クドカン)作品の映画。キャッツの「ワールドシリーズ」は、初見。

……泣けました。マジ泣きです。 (ノ_・。)

テレビドラマ「木更津キャッツアイ」(以下「キャッツ」)の世界を知っていないと、ちょっとついていくのはツライかも、だけど。

映画、最後まで見てしまったうえ、録画で二度見までしたという……。

「キャッツ」の最後、こんな終わり方だったんだ~。


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※こんなにBOXがデカくて、47%割引の3,800円!? と驚いておったら、「ディスクは2枚だけ、BOXの空いたところにテレビシリーズ他のDVDを収めておくれ」という、既にたくさんお持ちの方向けの仕様……らしいです。


※『キャッツ』と『フォレスト・ガンプ』未見の方は、以下で内容に触れているので 閲覧はご注意くださいましね……。







●どうもワタクシ、映画版第1弾『日本シリーズ』を見ていないらしい。

テレビドラマは見ていたので、大体の輪郭を思い出しつつ、ところどころ設定不明で鑑賞。

以下、ネタをばらしつつの感想。

*************
好きなところ。

どアタマから、韓流ドラマのパロディー。韓国でリメイクされた「キャッツ」の放送? と思い込み、危うく録画を止めるところだった。

いや、ヒネリてんこ盛りのクドカンだぞ!? こういう入りもあり得るぞ!? と疑いつつ見ること数分。

あの時間は、長かったなぁ~(^^)。こういう凝った遊びが好き。あとは……

「キャッツ」の展開は、目まぐるしかったことを思い出す。そうそう、早送りと巻き戻しを多用して、ある時点に戻って「そのころ別の人物はこうしていた」……って、話が複数走るんだよね。それがオシマイには辻褄が合う、気持ちよさ。

そして至る所に仕込んである、小ネタの多さ。この映画に関しては多分、半分も理解できていないと思う。

いくつか大笑いしたんだけど、いいシーンにかき消されて忘れた(^^;)。

あ、ゾンビが出てくるたびに、マイケル・ジャクソン「スリラー」もどきのBGMが流れるのが、おかしかった。微妙にメロディーが違うのね。

配役も素敵。魅力的な俳優さんがたくさん。俳優さんじゃない人もたくさん。

「キャッツ」のメンバー以外で言うと……まず美礼先生(薬師丸ひろ子)。

あの声と存在感、あの人でなくては。極めて真面目に演じてらっしゃる のに からこそ、とてつもなく面白くなっている。

主人公のお父さん役の小日向文世さんも、あの柔らかくてどこかズッコケた雰囲気が最高。

当て書きされたのか、と思うくらいすべての登場人物が
設定と溶け込んでいるように感じられ、違和感なし。中川家の二人も、いいね~!


●ストーリーとしては、「荒唐無稽」の一言。

「キャッツ」を最初に見たとき、中学生男子の発想か!? と思った。登場人物たちはみんな、他愛ない幼稚な話を本気でして、ゲラゲラ笑う感じ。

ところが。

その荒唐無稽や中学男子感覚の笑いの裏に、結構シリアスなテーマがあったんだね。

一地方の閉塞感。道の定まらぬ若者の悩む気持ち。

そして一番大きいのは「死生観」。死の孤独感。

真っ正面からは言わないんだけど、そういうところはリアルで真っ当に描かれる。登場人物たちの「思い」が、すべてのエピソードをキチンと貫いて、積み重ねてある。

だから、主人公たちの置かれている状況とワタシの今現在とは1ミリも接点がない割には、感情移入ができてしまう。

そういう「土台」の描き方に省略があると感情移入ができないのは、ワタシだけ?


話は飛ぶけど、むかし映画館に『フォレスト・ガンプ [DVD]』を見に行った。

公開時、「全米が泣いた」じゃないけど結構な評判でヒットした映画。

しかし……。

主人公はお母さんに思い入れが強い、ピュアな人。その後、(確か)お母さんのエピソードを、さほどこまごま積み上げることなく、突如「そのお母さんが死んだ」というナレーションとお墓の画像だけ出たのね(確か)。

その場面を見たとき、個人的には「死んだ」という記号(言葉)だけで、どう捉えたものか……と困惑。けど劇場では、結構な数の観客が「すすり泣き」してた。(映画はあとは延々、間寛平さんの世界一周映像みたいなランニングシーンと、当時最新鋭だった合成技術による「アメリカの歴史映像と主人公の共演」の羅列だったような……)。

個人的には、こうして書く「あらすじ」以上のものが感じられず相当つまらなかったんだけど、連れも涙ぐんでいたので感想は胸にしまった。

以後、『フォレスト・ガンプ』は長らく、ワタシにとって「薦めたくない映画No.1」。本当に、人によって感じ方って違うもんだねぇ……。ワタシ、鈍いんすかねぇ……。

だから、「キャッツ」ワールドシリーズは泣ける! と力説しても、どれだけの人がそう感じるか、正直ビミョー。

けどね。

これほど「ばいばい」の一言に重みのある映画、他に知らない(他の映画をさほど見ていない……という事実もあるが ^^; )

「死んだ」なんてナレーションは無くても、いや無ければ無いほど、そこに至るまでがバカバカしければバカバカしいほど、ずっしり来る。

22歳で死んだ主人公の無邪気さと、それについていけなくなった、現実を知ってしまった仲間たち……の構図が、ちょいちょい印象的に出てくる。

死ぬ人への「ばいばい」と、現実と向き合い青春時代に別れを告げるための「ばいばい」。

作者は、そこで登場人物に対して容赦なく、冷たく突き放して「ばいばい」を言わせている。

その、「お涙ちょうだい」に行かない甘やかしのなさこそが、現実っぽくて泣けるんだよね……現実も、時に冷酷で容赦ないときがあるから。

ここまで感情移入できるのは、きっと彼らの「少々荒唐無稽だけど普通の生活」をテレビシリーズでじっくり見てきたからだろうな……とも思う。

この映画、「あらすじ」には書こうとしても書けない、デリケートで複雑な感情が描かれている……と個人的に思ったです。


●話を「キャッツ」のキャストに戻すと。

岡田准一(V6)、櫻井翔(嵐)、佐藤隆太、塚本高史、岡田義徳の主要メンバー、豪華。

さらに登場人物のキャラクターが、濃いのなんの。で、今回は特にてんでバラバラに、それぞれの生き方が描かれている。で、同じ事象への、一人ひとりの感じ方や行動が、完全に独立している。

こうした部分の描き分けが甘いと「ご都合主義」と感じてしまうのだけど、クドカン作品にそれを感じたことは、今のところ無い。バラバラにもかかわらず、それぞれの思いを合わせると何とか一つになる。

もつれながら、離れながら。そうしたところが、リアル。

それにしてもね~、主人公「ぶっさん」って、あんなに「面倒くさい」キャラだっけ? 忘れてたよ。感情が凸凹していて面倒くさいのに、みんなから愛されている憎めないヤツ。いいね。

主人公は、ああでないとね。

今回は「ぶっさん」以外のメンバーだけで話が進むのかと、途中までハラハラしてました(^^;)。なかなか出てこないんだもん。出てきてからのテンポが、すさまじかったね。失礼ながらウチの親のような高齢者には、もうついて行けない展開の速さ。

どんどん「9回裏」まで進み、あれよあれよと言う間に10回、延長戦。あの「○回表」って段落分け(?)も好き。テレビも映画も徹底的に野球で世界観を統一。

あ、そうそう!

塚本さん演じる「アニ」の本名が、やっとわかった! スッキリ! テレビドラマの最終回でボカされて、その後の映画を見ていないからずっとわからなくて、長年モヤモヤしてたんだよねぇ(笑)。


オマケ。
SP エスピー 警視庁警備部警護課第四係 DVD-BOX』シリーズにも出ている「ぶっさん」こと岡田准一さん、カッコイイね。『SP』ドラマ最終回、未だHDDに残してある。

けど実は、「キャッツ」主要メンバーの中では「うっちー」こと岡田義徳さんも好きで♪
今回その「うっちー」、壊れキャラがシャンとしていたのも、また面白く。

実はそちらが演じた俳優ご自身に近い感じがする(むかし音楽番組で頭の回転の速いMCをしておられたよ)。でも壊れ気味のキャラも演じられる芸達者。

Wikipediaには「木更津キャッツ」で人気を得た、って書いてあるけど、それより以前、NHKドラマ「甘辛しゃん」の時から好き♪ 二十歳前後、すっごくかわいかったんだよ~。(好みのタイプ ^^; )

なので、彼らの若い頃(テレビシリーズの映像)がふんだんに見られたのも楽しかった!

いや~何でしょうね、好きなところ満載の映画だったのでした。

テレビ放送につき、CMが入ってドラマのリズムが崩れていたのが、唯一残念。テレビで映画を見ていて、こんなにCMが邪魔だと感じたの、初めて。ドラマのリズム、相当考えてあるんだろうね。

ヒマができたら正しく編集して見直してみたい(^^;)。←熱烈にハマってます!


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